新しい光を求めて

21世紀初頭は大転換時代(カオス)の始まり?

2001年1月には「21世紀の幕開けは戦後の混乱期と同じか?」というタイトルで書いたが、戦後最悪の記録を多く残して暮れた。2000年1月には「日本は今台風の目の中にある」というタイトルで書いたが、2000年を間に挟んで台風の余波として何がどのようにどの程度の影響があるかということであった。

しかし、2001年は新しい台風が新たに生まれた。一は小渕前首相が急逝し小泉内閣が誕生したことである。二つ目の台風は9月11日の米中枢同時テロの発生である。台風の余波は中国の変質、すなわち、共産主義から資本主義への転換路線が定着したことである。この結果、21世紀は「複雑系」でいう安定の状態からカオスの状態へ向かいつつあるように感じるのである。

中小企業の経営者は力尽きた

11月、12月でお客さまの廃業・倒産が6社も続いた。この10年間にそれまではなかった債務超過状態の法人がお客さまの20%近くを占める状態になっており、3,4年前から少しずつ起きていた廃業・倒産であったが、9月以後急速に増加しだした。今年は大変な年になりそうである。

今まではいつか景気が回復して事業が回復するだろうと微かな希望の中で個人財産を事業に注ぎ込みながら支えてきたがプツンと糸が切れたという感じがするのである。

その原因は9月11日に起きた米中枢同時テロ以後のアメリカ経済が一段と急減速したこと、中国のWTO加入により大企業の中国シフトによる発注の打ち切り・減少が回復する余地がないと感じたからである。中小商店もユニクロ・100円ショップ化、大資本の郊外店舗展開による商店街の空洞化で瀕死の状態にある。

私たちは毎年決算ごとに、決算内容をグラフにしているが、大半のお客さまはいまおしなべて50年代の状況にあると言っても過言ではないであろう。

新しい光を求めて

戦後の混乱の中でも新興成金と言われた人々が出てきたように大転換期においても新しい光が見えてきている。

一つは株式公開(IPO)を目指すお客さまや企業買収(M&A)によって成長のスピードを上げようと頑張っている経営者が出てきていることである。

二つ目は確定申告で1億円を超える給与所得の申告が出てきたことである。

すでに転換期の新しい潮流を掴んでいる人たちが出てきているのではなかろうか。新しい光は新しいタイプの事業家の中から出てくることを期待しよう。

『静かであった過去では定理として通用していたものは、現在の嵐の時代には不適切である。現在起こっていることは困難に満ちているが、私たちはこの出来事を越えなければならない。われわれの直面している事態は新しいので、われわれは、新たな方法で考え、新たな方法で行動しなければならない。アルバート・アインシュタイン 1936.』

(「シンクロナス・マネジメント」(TOCは21世紀を切り拓く)小林英三訳p23より)

(小川 湧三)

 


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