2000年の経済はどうなるか

いま、景気は「台風の目の中」にある

台風の嵐:平成9年の金融システムの崩壊とその対応

いまはバブル崩壊後100兆円を超える公的資金の投入にもかかわらず10年にわたる長期不況の中にあります。平成9年には為替の自由化、生命保険会社、証券会社、銀行の倒産などによりまさに金融システムの崩壊寸前まで行ってしまいました。

政府は橋本政権から小渕政権に交代することにより、財政再建よりも景気対策を優先させる政策に転換し平成10年緊急経済対策、中小企業対策5000万円特別融資の実施等によりようやく小康状態を取り戻しました。

平成12年(2000年)の政府の施策

平成11年末の臨時国会を「中小企業対策国会」と位置付けて中小企業に対する更なる追加融資の実施、所得税・相続税の減税を含む中小企業関連法律、税制の見直しや拡充を図っています。

また、小渕首相は平成12年(2000年)も財政再建と経済対策の二兎を追わず経済再建に専念し、「経済新生対策」として緊急経済対策の追加的実施を行うことを表明しています。

一方、大企業は日産の例に見られるようにグローバル化の波を受け国際競争の生き残りをかけた合併、合理化を図るため一段とリストラ、下請け企業の統廃合が進すみ企業収益の改善が進み明るさも見えてきています。

しかし、中小企業はこの煽りを受け生き残る企業、廃業に追い込まれる企業と二極分化が一段と進みさらに閉鎖・廃業に追い込まれる企業が多くなるものと推察されます。

一般市民もリストラによる失業ないし給与の減少、2001年4月のペイオフ実施の不安、低金利による収入減、介護保険、年金負担の増額、確定拠出型年金制度発足による支出増などが生じます。

嵐の前の静けさ

このようなことが見込まれるからこそ、政府は一昨年来の一連の経済対策にもかかわらず、さらなる所得税・相続税の減税、中小企業対策など一連の財政赤字をも顧みず更なる国債増発による経済対策を打ち出してくるでしょう。

ですから今年は「台風の目の中」みたいに平穏であり、もし総選挙の結果、現政権が引き続き担当し政策の継続性が保たれるならば、嵐の前の静けさのようにいっとき「青空」も見えるのではないでしょうか。

先のことは闇の中、誰もわからないのです。今年行われる総選挙の結果もどう出るか分かりません。しかも、国債の増発、財政再建への政策転換、アメリカ経済の先行き不透明感、原油価格の高騰、世界各地における地域紛争の多発など引き金になる要因は沢山あります。

いつ、どれが日本の経済波乱の要因になってもおかしくはないのです。今はつかの間の平穏とでも言いましょうか、意外に強力な台風の余波は2001年から2003年頃にやってくると覚悟をしておくことが肝要かもしれません。

(小川 湧三)

 


神奈川県川崎市で税理士をお探しなら

LR小川会計グループ

経営者のパートナーとして中小企業の皆さまをサポートします


お問い合わせ


 

2000年の経済はどうなるか” に対して2件のコメントがあります。

コメントは受け付けていません。