なぜ「リスク商品」と付き合わなければならないか。

リスク商品とは、株式や投資信託、外貨建て商品など元金が保証されない金融商品を言います。日本では1200兆円と言われる個人金融資産がありますが、そのうち90%近くが預貯金と生命保険です。しかし、元本保証の預貯金と言えども低金利、銀行・証券会社・生命保険会社の倒産による金融システムの破綻から預貯金といえども安全と言えなくなりました。

なぜ、預貯金ではいけないのか。

人間は数分間呼吸ができなければ死んでしまうように、預貯金も今のように長期に低金利が続けば生活に困る人が出てくるし、企業年金や厚生年金、年金基金なども予定金利で運用ができなくなり、現に企業年金では解散したところも沢山あります。

2001年4月からペイオフが実施され預貯金も国の保証がなくなります。しかも、今はデフレの真最中ですが、このあと預貯金の最大のリスク要因であるインフレを懸念する声もでてきています。金融システムの崩壊により預貯金といえども安全ではなくなったのです。

フリー、フェアー、グローバルという世界経済への環境変化

共産主義社会の崩壊から世界は自由主義・資本主義の社会になりました。資源の少ない日本は世界のさまざまな国と貿易をしていかなければなりません。日本だけで鎖国社会を作っても1億2千万人の国民は豊かな生活を過ごすことはできません。

本来なら1985年プラザ合意の時あるいは共産主義社会崩壊の時にすべきであった国際化への潮流と国内問題である財政再建の優先順位を間違え冒頭に書いたように金融システムの崩壊を加速してしまいました。

リスクをコントロールする自己責任の時代

私たち日本人は長い間、国や企業に頼り切って、自分の人生設計や資産形成を自分で計画を立てるという当たり前のことをおざなりにしてきたのではないでしょうか。

アメリカ、アジア、中東特にヨーロッパでは永いこと戦乱、天災、インフレ等から財産は自己の責任で保全し運用すること、あるいは資産家から資産を預かり運用するプロフェッショナルが発達してきました。

アメリカでは資金の管理運用を任されている人は、単に元本を維持するだけでなく、リスクをコントロールしながら収益を挙げるよう求められています(プルーデントマン・ルール)。

日本でもアメリカの401(k)型確定拠出型年金制度が導入されます。日本の人々全員が自己責任により資産の運用しなければならない時代になったのです。

株式はそれ自体の中に成長要因を持つ

自由主義社会の経済活動の中心は民間企業です。民間企業は「株式」を通じて市場と連動しています。いろいろある金融商品の中で株式だけがそれ自体の中に価値創造力をもっているのです。「貯蓄」中心から自己責任により株式の持つリスクをコントロールしながら運用する「投資」へ転換していかなければならない時代になったことをご理解頂きたいと思います。

(小川 湧三)

 


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