上海短見
再見
11月4日から7日まで上海の会計事務所視察ツアーがあり上海へ行ってきました。上海へは平成5年から10年まで毎年行って、その変化の速さを見てきた。3年振りなので、会計事務所の視察もさることながら、その変化を見たいというのが本音でもある。
会計事務所視察
会計事務所の視察では、大きな会計事務所2社を視察、見学した。会計事務所といっても日本でいう中小企業を対象とした会計事務所ではなく監査を中心とした公認会計士事務所や監査法人と同じである。
中国の会計士の試験制度は1991年に始まり、最初は国家機関に所属して国営企業や合弁会社の監査を行っていたが、1997年に国家機関から分離し監査法人として国営企業や合弁会社と契約して行う民間の法人になった。
中小企業の税務申告を中心とした税務については、税法はできたがそれをサポートする税理士制度に相当する制度はまだできていない。平成5年に会計事務所を訪問したときとは雲泥の差であった。
3年前と比べて
3年前と比べて新しくできていたのは①浦東国際空港②地下鉄2号線③環状高速自動車道④南京への高速自動車道⑤浦東地区の金融センター、ホテル街⑥南京東路の歩行者天国などで大変貌である。
街角で
「マナー」
一人で地下鉄の乗って南京東路の歩行者天国へ行ったその帰りの地下鉄の中でひとりのビジネスマンから席を譲られた。二駅だけなので断って立っていたが、今までの何回かの中国では考えられないことであった。
「英語」
本屋へ行ってみたら真新しい英語の本が沢山並んでいた。この風景は1997年ベトナムのホーチミンへ行ったときに見た風景と同じだった。ベトナムは1997年7月からAPECに加入したのを機会に今までのフランス語圏から英語圏に入ったのである。APECは共通語を英語と定めている。
当時は英語のできない国は中国と日本と言われていた。中国は今年APECの総会が開かれたこと、2008年にオリンピックの開催が決まったこと、つい先月10日加入が決まったWTOへの加入が取りざたされていたことなどから急速にグローバル共通語としての英語への取り組みが始まったことを感じさせる。
「自転車」
浦東区の昨年できたばかりの新しいホテルからだったかも知れないが、路面一面を埋め尽くした自転車の群れは少なかった。
動き始めた中国
中国は変わり始めた。今まではいつ逆戻りするか変わるか判らなかった中国だったが、人治の国から法治の国を目指して変わり始めた。戸籍法の見直しが決定されるなど民事法、会計・税法、会社法、訴訟法など執行体制が追いついていないが着実に整備が進んでいる。
昭和30年頃の日本が資本主義体制へ向かって進み始めたように、中国も市場経済へ向けての方向が定まった感じがする。
(小川 湧三)
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