新年度に備えた家計管理

4月は企業や学校の新年度です。環境が変わるとお金の動きも変わります。新年度を前に、この1年の家計を振り返り、どの時期にどれくらいの資金が必要か、4月からお金の動きをイメージしていきましょう。

1 家計の現状把握

家計チェックの第一歩です。毎月のやり繰りの他に、年に数回の支払いや、季節ごとの行事など、すべて合わせて年単位で洗い出しましょう。

基本生活費(毎月)

帳簿

・食費
・日用品
・光熱費
・通信費
・医療・介護
・住宅固定費 など

不定期な支出

・子ども関連(授業料、塾の季節講習 など)
・季節ごとの衣料費、クリーニング費用
・年払保険料
・税金(住民税、固定資産税、自動車税 など)

1年間のお金の動きが分かったら、4月からのお金の計画を立てましょう。

2 家計管理のポイント

⑴ 予算化する

使途不明金をなくすために、目的をはっきりさせ予算化しましょう。貯蓄分は先取りし、家計が赤字にならない範囲で想定外費用や無駄遣い枠を設定し、その中で使い切る方が、満足感を得られ結果的に節約になる場合が多く見られます。

⑵ 優先順位を考える

お金の使い方を2つに分けて考えましょう。

生活に必要な[ニーズ]と、なくても困らない[ウォンツ]と、区別して考えましょう。必要な出費は削ることはできませんが、生活に潤いやゆとりを与える出費もあります。自分にとっての優先順位をつけ、家計もそれに集中させることで、無駄を省くことができます。

⑶ 目的別に口座を分ける

家計簿をつけレシートの中身まで細かくチェックするよりも、基本生活費とそれ以外の費目ごとにざっくりと口座を分けると、管理がしやすくなります。クレジットカードやQRコード決済など、目的別に使い分けると良いでしょう。

⑷ 目標の共有化

夫婦間の家計の共有化も大事なポイントです。貯まりやすいのは、生活費も貯蓄も夫婦共同で管理するタイプと言われています。資産や負債(ローン)について管理はそれぞれ行うとしても情報を共有し、家計を見える化し、何を優先させるのか話し合いましょう。

共働き世帯の注意点

➡出産や子育て、親の介護など休業や仕事をセーブする場合もあります。特に住宅ローンの設定時に夫婦合算でフルローンを組み、返済が困難になるケースも耳にします。契約の際には、十分に考慮し余裕を持たせましょう。

➡万が一の場合、受け取る遺族年金は夫婦で金額が違います。妻が亡くなった場合の社会保障は薄いので、それぞれの事情に応じて、死亡保障を準備しましょう。

3 貯めてから買うか? 借りて買うか?

お金を借りることは、大きなものを購入するための手段の一つで、住宅ローンが代表的です。返済能力があることが前提なので、収入がない場合は、ローンを組んで買うのは厳禁です。また基本生活費についてカードローンなどで安易に借り入れることは、その後の生活や人生設計にも影響を及ぼすので止めましょう。キャッシングやリボ払いなどにも注意しましょう。

高額な出費は、必要なら返済計画に基づく計画的な借り入れを。それ以外は、貯めてから購入することを原則としましょう。

貯めて買った時の達成感や喜びで、さらにその後も大事に使うようになるのではないでしょうか。

4 お金が貯まる仕組みを作ろう

STEP❶ つみたて貯蓄

少額でもいいので、貯蓄分を給与天引きまたは貯蓄用口座に移しましょう。まずは、失業や病気での離職などに備え半年分の生活費を確保しましょう。目標額がクリア出来たら、NISAや目的別のつみたてに振り替えましょう。

STEP❷ 【NISA制度】の活用

NISA口座では、毎年最大360万円(総額で1,800万円)まで投資することが可能で、生涯にわたって、売却益・配当等が非課税となります。20歳以上なら誰でも利用でき、資金の目的を問わずいつでも使えます。短期では元本割れのリスクもありますが、つみたて投資・長期運用なら安定的な資産形成ができ、金融知識の向上のためにも役立つでしょう。

STEP❸ 【確定拠出年金(企業型)】の活用

老後の資産形成のための制度で、所得控除や運用益の非課税がメリットです。所得の多い場合には有効ですが、引き出し時には課税の対象となり、退職時期によって取り扱いが異なるので、注意が必要です。60歳まで引き出せないので、家計に余裕が出てきたら検討しましょう。

お金が貯まらない理由

① 家計に関心がない?

「給与明細を見ない」「レシートを貰わない」「お財布にいくら入っているかわからない」収入が多い人に見られる傾向かもしれません。現状では問題がなくても、大きな出費やローンを組む時、退職し収入が減った時などに、困ってしまう可能性も。

② クレジットカードや電子マネーの使いすぎ?

明細が残り、管理ができていればOKですが、無計画な利用では予算オーバーになる可能性が高くなります。また、リボ払いや長期の分割払いは金利手数料も高く、返済が滞ると、住宅ローンの審査などに影響がでる事も。

③ 使途不明金・なんとなく消費が多い?

ちりも積もれば…なんとなく買っている・使っている習慣を見直し、本当に欲しいものや好きな事に使いたいもの。大切にしたい事柄に優先順位をつけましょう。

まとめ

SNSで子どもの誕生を機に毎日100円、誕生日に36,500円を入金し、通帳にメッセージを書き込み20歳の誕生日に渡した方が話題となっていました。トータルで73万円は、独立の第一歩としてどれほど心強いことか…。貯蓄に名前を付けることで、成長を想像し、楽しみながら続けることができたのではないでしょうか。

名前や目的をつけることの重要性が見て取れます。

しかし、貯蓄や投資の為に慢性的に家計が赤字になったのでは意味がありません。家計をスリムにして余裕のある家計を目指しましょう。環境が変わった時には、今後のキャッシュフロー表を作成しましょう。問題点が何か見える化することで、漠然とした不安がなくなります。

将来何がしたいか?目標の為に今何をしていくか?を考え、その人・その家庭のライフプランにあった貯め方・使い方をできるように考えていきましょう。

 



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