一期一会

人生における人との出会い、これは極めて大切なことだと思います。先ごろ99歳でお亡くなりになられた瀬戸内寂聴さんが寄せられた「人との縁、私の宝」といったタイトルのエッセーに触れる機会がありました。

「人生とは出会いである。人との出会い、風景との出会い、動物との出会い、どの出会いも、私の栄養となり、心身を育んでくれた。なかでも人との出会いこそ、私の生きる証である」「生きて、逢えてよかったと思う人々との不思議な縁こそ、私のこの世で得た最大の財産と宝物である」という言葉が寄せられていました。

瀬戸内さんの言葉には、どこか、心に響きます。はっと気づかされる事も多くあります。人は人生で出会った人から学び、日々の生活の中で、縁があっていろんな方との関係が築けていることに、改めて感謝しなければと痛感させられます。

人生における人との出会いには、宿命的なものと自分の選択で出会うもの、この2つの出会いがあると思っています。生まれた地、親兄弟などは宿命であり、自分に選択の余地は全くないでしょう。もう1つの出会いは、高校を卒業するぐらいから、自分の選択で出会う対象が増えてくると思っています。

私は、税務職員の道を選択し、退官するまで20数回の異動を経験しました。振り返ると勤務地や仕事の内容や職場環境も大きく変わることもありましたが、そこにはたくさんの人との出会いがあり、たくさんのことを学び仲間に支えられ、お世話になってきました。人事異動の多い環境の下で、自然と身についた人との出会いと仕事を大切にしようという思いでおります。

1年間を大切にするためには1カ月を大切にしなければなりません。1カ月を大切にするためには1週間を、1週間を大切にするためには毎日、1日1日を大切にしなければならないと思っています。その思いを端的に一言で表すと「一期一会」です。

皆さまとの出会いや仕事は二度と巡ってこない、たった一度限りの大切なものだという思いを心に置きながら、これからも一緒に課題を解決していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

税理士法人ＬＲパートナーズ
代表社員　所長　小関和夫