ライフプランと家族会議

クローバー通信 No.211

コロナを機に、物の価値観やライフスタイルが変化し、選択肢が増えてきています。

子どもであっても、大人であっても、生活し、夢をかなえるためには、経済的な裏付けが必要です。

家族会議を活用し、自分の望む人生をおくるための設計図として、ライフプランを作成してみましょう。

1 ライフプランと家族会議

ライフプランを作成するには、自分がいつ何をやりたいかが重要になります。そして自分の希望だけでなく、家族の状況にも影響を受けますし、家計を考えると家族の協力は不可欠です。ライフプランの作成には、家族との情報共有や、家族会議を取り入れていきましょう。

家族会議の目的は「家族みんなの意見や希望を全員で共有すること」です。定期的に家族会議をすることで、家族がお互いに抱えている悩みや問題を打ち明け、家族みんなの問題として全員で解決策を考える機会となります。

議事録として記録を残すことで「書きだして問題や課題を見える化」し、「自分の掲げた目標を達成できる」環境づくりになります。

2 問題・課題の見える化ライフイベント表を作成しよう

まずはライフイベント表を作成し、将来を「見える化」してみましょう。

自分と家族のライフイベントを時系列に書き出し、決まっているイベントに、将来どうしたいか、実現したい夢のプランなど書き加えていきます。

就職をして社会人となった場合は、仕事の目標をどう立てるか、どんな暮らしがしたいかを考える良い機会ですし、結婚・出産の場合は、夫婦での生き方や目標を定める良い機会となります。

また、自分と家族の優先順位を考え、目標を立てられれば、家族の協力も得やすくなります。

ライフイベント表に記載したい内容

⒈家族情報年齢
⒉結婚・出産の予定
⒊子どもの進学の予定
⒋住まいと修繕・リフォームの予定
⒌仕事について就職・転職・独立開業・退職など
⒍車の保有と買い替え
⒎旅行の予定・希望
⒏その他大きな買い物・イベント
⒐リタイア後の過ごし方

ライフイベントや希望が分かれば、どれくらいの費用が必要かわかります。将来のキャッシュフロー表を作成することで、実現可能か、問題点が何かが見えてきます。

3 子どもの参加情報共有・金銭教育を考えよう

子どもが小学生になったら、家族のイベントや家計の事を共有し、話し合ってみましょう。親の考え方・行動は、そのまま子どもの考え方・行動に直結します。親にとっては自分の行動を振り返る、子どもにとっては本当にやりたいことを選び出す機会にもなるでしょう。

子どもと話したいお金に関するテーマ

⒈「必要な支出」と「楽しみの支出」
⒉お小遣いと習い事
⒊教育費と奨学金
⒋携帯電話の使い方
⒌インターネットと個人情報
⒍その他大きな買い物・イベントと費用
⒎住宅ローンや借金のこと
⒏クレジットカード・リボ払いについて

親が子どもの気持ちや考え方を否定せず受け止めることが大切です。そのような機会を重ねることで、子供は安心して自分の思いや考えを伝えることができるようになります。学校のこと・友達のこと・進路のこと・将来のことなどに加えて、お金の使い方や家計についても意見を聞いてみましょう。

4 自分のリタイアメントプランエンディングノートを作成しよう

現役世代と比べると、体力面、就労面などで制限されることが多くなります。やりたいこと、働き方によって、準備や対策が異なります。「何もしないでのんびり暮らす」には、それだけのお金の準備が必要です。反対に年金だけでは生活できず、仕事をしたくても働けない事態も避けたいものです。

⒈ 働き方を考える

いつまで働きたいですか?やりたいことはありますか?

⒉ 健康・介護を考える

健康のために何かしていますか?
どのような介護を望みますか?

⒊ 住まいを考える

10年後はどこで、20年後はどこで暮らしますか?

以上を踏まえて、リタイアメントプラン・キャッシュフロー表を作成し、家計に問題がないか確認しましょう。問題が「見える化」すれば、仕事を続ける(収入を増やす)、イベントの内容を変更する(支出を減らす)など、対策が立てられます。

同居する家族だけでなく、離れて暮らす家族が困らないよう、エンディングノートにまとめてみましょう

エンディングノートに記載したい内容

⒈ 基本情報
 ❶ 生年月日本籍地血液型
 ❷ マイナンバー・運転免許
 ❸ 健康保険・年金情報

⒉ PC・携帯電話パスワード
⒊ 財産
 ❶ 預貯金・有価証券(株式・投資信託など)
 ❷ 不動産
 ❸ その他(宝石・美術品・着物など)

⒋ 人に貸しているお金
⒌ ローン・サブスクリプションの契約
⒍ 医療
 ❶ 生命保険
 ❷ 医療の希望(臓器提供・延命治療など)

⒎葬儀・納骨・埋葬の希望
⒏親戚・知人・友人・勤務先の連絡先
⒐ペットについて
10.遺言書の有無・家族へのメッセージ

5 親のエンディングに向けて

自分のエンディングノートと、確認したい内容はほぼ同じです。お盆やお正月など家族が集まる機会に、保管場所を聞いたり、聞いた内容を書き出してリスト化すると良いでしょう。若くても、万が一の場合の悲しみや手続きの大変さは同じです。まず自分が先に作って、見てもらうのはどうでしょうか?

大事なことは、親の想いを話してもらうこと。年齢に応じて想いも環境も変わってくるので、定期的に集まって近況や想いを聞くことが理想です。ただ、相続の話など家族だけでは切り出しにくい場合は、第三者が入ることで円滑に進むこともあります。

まとめ

ポイントとなるのは、「書き出すこと」「書き出すこと」でやりたい事が「見える化」します。加えてライフイベント・ライフプラン表、キャッシュフロー表を作成すると、金銭的な問題点が分かり、対策が立てやすくなります。また環境や考え方の変化もあります。定期的な見直しをおすすめします。

もう1つのポイントは、「怒らず聞く話を引き出す力」。子どもでも、大人でも、安心して話せる状況でなければ話せません。思いや考えを否定せず、まずは受け入れることが大切なようです。大勢いると話しにくい場合は、2人だけで言いたいことを言ってもいいのでは?あまり固く考えず、気負わず、家族会議を開催してみませんか?

 

 

~ファイナンシャル・プランナーの相談室 Live in Clover~

クローバー通信は、働く世代の自営業者やサラリーマンとそのご家族の皆さまの応援団として、家計に役立つ情報をお届けしてまいります

ファイナンシャル・プランナーの相談室は、『LR小川会計グループ』が運営しています。

ロングリレーションズ倶楽部

ファイナンシャル・プランナーの相談室 Live in Clover
〒213-0011 川崎市高津区久本3-3-14 エルアールビル ◆ 土・日 祝日休み 予約制
TEL 044(811)1211 FAX 044(811)1212
E-mail fp-clover@lrm.co.jp


お問い合わせ

神奈川県川崎市で税理士・社会保険労務士をお探しなら

LR小川会計グループ

経営者のパートナーとして中小企業の皆さまをサポートします