第24回 クラウドサービスの比較③ DropBox

情報セキュリティ連載
クラウドサービスの比較③

データをクラウド上に保存共有するサービスについて、前々回はGoogleDrive前回はOneDriveの検証をいたしました。

今回は、米国ドロップボックス社が提供するDropboxです。
Dropboxは、クラウドストレージサービスの先駆け的存在のサービスです。

Dropbox

1 料金体系

法人契約と個人契約で料金体系が異なります。今回も法人の料金体系のみ表示します。
DropboxのBusinessプランは下記の3つとなります。

※Enterpriseはモビリティ管理(EMM)やネットワーク機能等の管理機能を自社用にカスタマイズ出来たり、専門チームによる研修が受けられる等のプランのため料金が問い合わせとなっています。

2 安全性

2段階認証の利用はGoogleDriveと同様にSMSサービスかAuthenticator(Google提供)、DUOMobile(DuoSecurity,Inc提供)のアプリで認証を解除する方法によります。

3 融和性

融和性については他の端末や環境で利用するのにしやすいかという面から評価します。

モバイルアプリはiPhoneもAndroidも両方あり環境は整っています。

Officeファイルの編集についてはワード、エクセル、パワーポイントの各アプリケーションをダウンロードする必要がありますが、編集・保存で同期をかけることが可能です。

また、スマートフォンの操作性も秀れています。

4 復元性

復元性については、データを誤って上書き保存や削除してしまった場合の復元可能性と、データ保存期間について評価します。Dropboxの場合データの更新履歴は個人プランで30日間、ビジネスプランは120日でデータを戻すことができます。操作回数に上限はありません。

またDropboxに同期されたフォルダ内のデータを削除した場合は、ブラウザからの処理になりますがゴミ箱から復元することが可能です。ゴミ箱のデータは削除しない限り保存され続けます。

5 総評

Dropboxを始める場合、法人プランは無料プランが存在しないため個人の無料プランで操作性を確かめる必要があります。本格利用される際はDropboxBusinessの中からプランを選ぶ運用になります。クラウドストレージサービスの料金は平均的です。機能面では、操作性や共有の管理、サポートもあり、使いやすい環境です。

また、GoogleDriveやOneDriveと比べ、ファイルの復元期間が長いのが特徴です。

6 まとめ

3回にわたりクラウドストレージサービスを比較検討いたしました。5〜6年前までは、ビジネスを考えるならマイクロソフト製品が第一に選択されていましたが、スマートフォンの普及により、クラウドサービスも多くのサービスが出てきており選択肢が広がっています。

クラウドサービスなので、データ共有、汎用性とういう観点からサービスを選ぶ方がよいでしょう。

クラウドサービスで最重要になるのは、データの安全性と稼働率です。安全性については各社2段階認証をサービスに組み込んでおり、一定の安全性は保たれていますが、認証にはスマートフォンが必要となる等、利便性が損なわれている面もあります。

次にデータ稼働率です。データ稼働率とはクラウド上にアップロードしたデータに常にアクセスできる確率のことです。大半のサービスは99.98%台を公表していますが、100%ではありません。99.98%の場合、1年で障害が起きる時間は約1時間くらいとされています。

8月下旬にアマゾンWebサービスがダウンし、多くの企業に影響が出ました。このときは1日近くサービスが出来なかった企業も出ました。サーバーがダウンしてしまうとクラウドにあるデータにはアクセスできません。パソコンに保存し、それをクラウドサービスで共有する方法を採用するのが、最良の方法でしょう。

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