スマートフォンのウィルス対策③

情報セキュリティ連載

第6回 スマートフォンのウィルス対策③

参考文献/『情報セキュリティ10大脅威 2017』 独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)

今回も前回に引き続き、スマートフォンのセキュリティについてお話いたします。

スマートフォンをウィルスから守る為の基本的対策

ウィルス対策⑴ OS・アプリの更新
⑵ セキュリティソフトの導入
⑶ アプリの端末への権限許可
⑷ 端末の認証強化
⑸ 公衆無線LANのリスクについて

⑷ 端末の認証強化

小型で持ち運びに便利なスマートフォンですが、その反面、紛失や盗難の被害に遭う可能性も高くなってしまいます。

スマートフォン内部には様々なデータを保存しており、紛失した際に、個人情報が第3者に渡ってしまう可能性があります。

スマートフォンを紛失した場合に備え、幾つかの機能を設定しておくことが重要となります。まず、画面ロック機能です。暗証番号やPINコードと呼ばれるコードの入力、顔認証、パターン認証が主なものです。

最近のAndroid端末ではスマートロック機能というのも登場しています。スマートウォッチや歩数を計測するウェアラブル端末とAndroid端末を連携させることでその端末同士が至近距離にある場合のみ画面ロックを表示させずすぐ使え、連携が切れるとロック画面が表示されるというものです。

さらにデータの暗号化機能というものがありこれを有効にしておけば、スマートフォンを分解され直接データを抜き出そうとしてもデータが暗号化されており表示されないというものです。この暗号化についてはデフォルトで有効になっています。

万が一、端末が見つからない場合はWebブラウザよりログインし遠隔操作でデータの初期化を行うこともできます。

紛失することも考えられるので、iPhoneはiTunseでバックアップを定期的に取りましょう。Android端末はGoogleのクラウドシステムにバックアップは取れるのですが、端末内にあるデータのバックアップは出来ないのでバックアップ用のアプリJSアプリというものをインストールして定期的なバックアップをおすすめします。

⑸ 公衆無線LANのリスクについて

最後に最近サービスの増えた公衆無線Wifiについて説明します。訪日外国人の増加に伴い飲食店や人が集まる場所に無料でインターネットが使える公衆無線wifiが設置されるケースが増えています。

この公衆無線wifiの多くは暗号化されていないものです。つまり公衆無線に接続すると、同じwifiに接続している他のIT機器から通信内容を見られてしまっています。

ユーザー名とログインパスワードを求めているwifiもあり、一見プライバシーが保護されているかのように見えますが大手コーヒーショップやスーパーのwifiは暗号化されていません。そのwifiに接続してネットバンキング、SNSやメールへログインした場合、ユーザー情報とパスワードは専用ツールを使えば簡単に傍受出来てしまいます。また、メール内容は通話内容もすべて傍受されてしまいます。

暗号化されているか、されていないかの判断は接続する際のアイコンです。接続するwifiのアイコンに鍵マークがあるものは暗号化されていますが、鍵マークがないものは暗号化されていません。

ただ、偽のwifiもあります。見た目のアイコンは鍵マークが付いており見分けがつきません。この偽wifiはデータを傍受するために設置されているので多くの場合情報漏えいが起こってしまいます。wifi機器に特定のキーを入力する等比較的簡単に造れてしまい今後急増する可能性があります。

危険性はあるものの利便性も高いのが公衆無線wifiです。公衆無線wifiを安全に利用するためには「VPNアプリ」が有効です。このアプリはスマートフォンから出される通信そのものを暗号化させるものです。
このアプリを起動しておけば仮に偽wifiに接続されても通信そのものが暗号化されているので傍受されたとしても情報漏洩は起きません。

ただ、通信を暗号化して接続を偽装するので通信に詰まりが起こりやすくなる欠点もあります。

各スマートフォン公式アプリマーケットにありますので公衆無線wifiを利用される際は利用してみてください。VPNアプリで有名なものとしてオペラVPNがあります。

以上、スマートフォンのセキュリティについてお話させていただきました。

スマートフォンのワンクリック詐欺等スマートフォンを狙った犯罪も急増しています。自分のスマートフォンが被害に合わないためには上記の設定をするとともに犯罪の情報を把握することが重要です。独立行政法人 情報処理機構(IPA)ではこれらの情報を発信しているので定期的にチェックすることをおすすめいたします。

 


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