「相続の二面性」

平成 27 年から相続税の基礎控除が縮小され相続税の負担が増えることをご承知の皆さんも多いと思います。

昨年から今年の相続税改正に向けて会計事務所だけではなく金融機関などを中心に「相続税改正セミナー」のようなものが数多く開催されていました。

その中には、(セミナーのタイトルから推察するに)今まで相続税がかからなかった人たちに向けて、「今のうちから相続税対策をしておかないと大変ですよ」というものが多くあったのではないかと思っています。

私は、結論を先に申し上げれば、この改正によって今までかからないと思っていた相続税がかかるようになるご家庭の場合は焦って財産を移すという相続「税」対策をやるべきではないと思っています。
(財産を遺す方の年齢等の条件によ ってはやっておいた方がいい場合もあります。)

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相続というのは、「亡くなられた人」の財産を「相続人」に引き継いでいただく手続です。

従って相続対策は、「財産を遺す人」「財産を引き継ぐ人」の二つ視点で考えていかなければいけません。
「相続税の負担」というのは、実は財産を引き継ぐ人にとっての視点なのです。

財産を遺す人にとっての一番大切な視点とは、その人(や配偶者)が人生最後の時を迎えるまで安心して気兼ねなく生活を送れるということです。

そのためには、その時を迎えるまでに必要なお金や収入確保の途をきちんと持っておく必要があります。

それを超える部分について、初めて次世代の「相続税」の負担を軽くしておいてあげるための相続税対策をしていいのです。

今回の改正で相続税がかかるようになってしまった人は、これからの人生を安心して気兼ねなく暮らしていくために財産を手許に持っていなければならない人だと私は思います。

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そういう人にも是非やっておいていただきたい相続対策は、財産を引き継ぐ人に向けて「遺言」という形でご自身の想いをメッセージとして残していただくことだと思っています

株式会社LR小川会計 代表取締役 小川 泰延

 


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