ものづくり補助金 ~ 傾向と対策 ~

先月号に引き続き「ものづくり・商業・サービス革新補助金」について、今回は「傾向と対策」をお伝えします。まず昨年の実績をおさらいしておきましょう。
 ( 12 P下段参照)

昨年の予算は1400億円、採択数は14431件でしたので、単純計算で受給額は1件当たり約970万円でした。採択率は平均で約4割。  準備がしっかりできれば採択されるのはそれほど難しくない数字だと思われます。ただ、今回の予算は1020億円とやや縮小しているので、より入念な準備をしたいところです。

次にどんな事業が採択されやすいのか考えてみます。昨年は「成長分野」(環境・エネルギー、健康・医療、航空・宇宙)の補助金額が厚遇されました。今年は「革新的なサービスの創出」がキーワードです。

★ポイント

◎他社との差別化◎競争力の強化

従来の方式から何が変わるのか、「革新」の内容をできるだけ具体的に数字を使って説明することが必要です。そして審査をするのは「採択審査委員会」。審査は非公開で行われます。審査委員は有識者とは言えたくさん申請書を読むわけですから、書く立場としては「素人でも理解できるように」、わかりやすく表現することが大切です。

◎事業計画を 30 字以内で簡潔に表現する
◎図や写真を活用する
◎数字で説明する(市場分析、取組みの背景、必要設備のスペックなど)

昨年の不採択事例から教訓として学べることは、「取組内容を具体的に・説得力をもって記載できるか」ということです。次のような視点から審査されます。

◎社内体制を構築できているか
◎技術的能力を有しているか
◎ターゲット市場の分析はあるか
◎課題解決方法は適切か
◎事業化までのスケジュールに無理はないか
◎費用対効果が高いか
◎将来の展望はあるか(次につながるか)

昨年は安倍首相の指示で加点項目がありました。今年も同様の加点項目があるかもしれません。

◎人材育成への積極性(従業員向け教育訓練費)
◎賃上げへの積極性

以上のような傾向と対策を全て完璧にクリアーできるわけではありません。しかし、これらを意識することによって、採択に結びつく確率は高くなります。最大1000万円までの補助が受けられる魅力的な制度です。公表された公募要項をよく読み、上手にアピールしましょう。私たちがお手伝いします。ぜひご相談ください。

 


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