外貨建て金融商品入門 その1 為替のしくみ

【 外貨建て金融商品とは? 】

日本円以外の外貨で取引する金融商品を総称して外貨建て金融商品といいます。外貨預金・外貨建てMMFが有名ですが、高金利をうたう外貨建て債券〔オーストラリア・南アフリカなど〕、外国株式、FX〔外国為替証拠金取引〕など種類は様々です。

また、直接投資をしていなくても、バランス型・海外分散型の投資信託で間接的に投資しているケースも多いので、全く関係ない話ではないでしょう。

注目すべきポイントは、ズバリ!

◆為替レートが常に変動し、リスクがあること
◆円と外貨を交換するのに、為替手数料がかかること

です。

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【 為替リスクとは? 】

〇外国為替相場 = 一国の通貨と他国通貨との交換比率

どのような要因で変動するのか?

◆貿易収支、資本収支の変化 (黒字の拡大など)
◆金利格差、株価動向
◆カントリーリスク (その国の政治的・経済的リスク)
◆誘導政策 (円高誘導など)
◆期待

長期的に成長する・国力のある通貨は強くなると言えます。

【 TTSとTTB 〔為替手数料〕 】

実際に両替する時には為替手数料がかかります。通常、その手数料は交換レートに上乗せされて徴収されます。

円を外貨に交換する場合 = TTS レート
外貨を円に戻す場合    = TTB レート

〇為替手数料比較

(*外貨預金は三菱UFJ銀行、外貨建てMMFは野村證券の場合)

預金片道   MMF片道
米ドル        1円        50銭
ユーロ       1円50銭     75銭
豪ドル        2円        80銭
ニュージーランドドル   2円        1円
英ポンド       4円        1円

銀行では1日1回、証券会社などでは1時間に1回、為替レートが決定されるのが一般的です。
常に最新の為替レートに対応できる証券会社と、急激な変動に対応できない銀行とでは、手数料が違ってくると言う訳です。
◇1ドル100円で、10万円を投資する場合

外貨預金を始める時は、TTS=101円で計算
10万円÷101=990.09$

日本円に戻す時は、TTB=99円で計算
990.09$×99=98,018円

⇒2円以上の円高にならないと、損失が発生することになります。

各通貨・取扱金融機関・金融商品によって、手数料は違います。
よく調べてから取引しましょう。

【 まとめ 】

最近、ニュースなどでも「円高」という言葉をよく耳にします。円高が進むとトヨタ自動車などの輸出企業の株価が下がり、日本経済にも大きな影響を及ぼしています。

しかし、円高還元セールで輸入品の値段が下がったり、安く海外旅行ができるチャンスでもあります。同じ様に、様々な金融商品にも、円高・円安は大きく関連しています。

但し、為替の動向は、プロでも予想が難しいと言われています。金融危機の長期化の可能性もあり、更なる円高の可能性も充分考えられます。投資する際は、時期を分けて小口で投資するなど、リスクを抑える方法を検討しましょう。

 


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