誰が事業を承継しますか?

No117_13254865事業承継というのは、文字通り事業を誰かに引き継いでもらうことです。では、誰が事業を承継していくのでしょうか。

第一に思い浮かぶのはご子息等の親族の方です。中小企業のオーナー経営者の大部分は、自分の分身とも言える会社をご子息等に引き継いでもらいたいと思っていらっしゃると思います。

ただ、事業承継問題がクローズアップされてきたのは後継者難による廃業が増加していることが、大きな理由であることは前にお話ししました。ご子息等がいらっしゃらない場合、あるいはご子息等がいらっしゃっても、他に仕事を持っていて会社を引き継ぐ意志のない場合には、他の誰かに事業を引き継いで頂くか、事業を止めるしかありません。

今まで会社を支えてくれた従業員の方たちの生活や、引き立ててくださったお客さまのことを考えれば、経営者としては誰かに事業を引き継いでもらって、会社を継続していく道を考えることになると思います。(また、事業承継の大きな目的である経営者のハッピーリタイアメントを考えたとき、税金面では、会社を清算するよりも、事業を誰かに承継してもらい退職金や、株式の譲渡代金としてお金をもらう方が有利になる場合が多いでしょう。)

この場合、まず会社のことを良くわかっている従業員の方の中から候補者を選ぶことになるのでしょう。しかし、従業員の方が会社を引き継いでいこうとする場合には、個人的な資産の背景がない場合が多く、株式の買い取り資金の手当てや、個人の保証能力の点で事業の承継が困難な場合が多いのが現実です。

そうなると会社を引き継いでもらう相手として、親族でも従業員でもないまったくの他人を考えていくことになります。その意味では中小企業のM&Aは、事業承継の一つの出口です。このM&Aは、従業員の生活の維持がひとつの大きな目的ですから、従業員の継続雇用が前提となります。

他人に会社を買ってもらうわけですから、技術・人材・取引先・将来性など買い手にとって魅力がある会社でなければなりません。

実は、ご子息等に会社を引き継いでもらう場合でも、会社の将来に希望が持てるということが必要だろうと思います。

後継者へ事業を承継していく場合の課題はいろいろありますが、経営者がなすべき一番大事なことは「この会社で経営者として力を発揮してみたい」とご子息等が思える会社にしていくことなのではないでしょうか。

代表取締役社長 小川 泰延

 


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