表計算とデータベース③

『だからあなたは、いつまでたっても「エクセル」がうまく使えない』という本が2000年に出ました。「表計算」と「データベース」の違いを分かりやすく説明してある数少ない本です。(特に、補説の「情報リテラシーの高め方」の内容が素晴らしく、一読をお勧めします。)

前回は「形」と「操作の流れ」についてでした。今回は「発想」と「機能」についてです。ここが最大のポイントです。

3.「発想」の違い

そもそもデータベースの基本は「情報の戦略的活用」と「知的生産性の向上」にあります。つまり、発想の原点が「金儲けの道具」なのです。一方、表計算ではもともと手作業でしていた仕事を自動化したり、業務の手間を削減することに重きが置かれており、如何に経営を良くするか(経営判断、利益アップ)の視点は乏しいと言えます。

4.「機能」の違い

コンピューターの機能には「ワープロ」→「表計算」→「データベース」の3つがあると言いました。

「ワープロ」が言わば清書機で、エクセルの主な機能である「表計算」は、タテヨコ表に計算式を予め入れておけばデータを入力するだけで自動的に計算の答えが出て、データを入れ替えればその答えが一瞬にして変わるという便利な再計算機能です。皆さんが日常やっている仕事の大半がこの再計算機能での処理です。

しかし、よく考えてみるとエクセルでやっている仕事の大半は四則演算(足し算、引き算、掛け算、割り算)と表つくり(データ入力、罫線、文字の装飾など)ではないでしょうか。だとすれば、表計算が凄いといっても所詮は「ワープロに電卓機能がくっ付いただけ」で、高い投資の割には何と勿体ないコンピューターの使い方でしょう。

「データベース機能」は「表計算」よりも遥かに次元の高い情報活用がいつでも簡単に、しかも連続技で出来る「スーパーウルトラ機能」であると考えて下さい。(最も金儲けに繋がる機能)
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次回は、「データ活用」と「イメージ」などについてです。

<参考文献>
『だからあなたは、いつまでたっても「エクセル」がうまく使えない』
佐藤 雅栄 著
(経営実務出版2000年)

記・神奈川県藤沢市在住
製造メーカー勤務 T

 


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