ほけんの見直し その6 個人年金保険
【はじめに・・・ 】
老後の資金準備の方法として、個人年金を挙げる人は多いでしょう。死亡した場合に備える生命保険とは違い、長生きのリスクに備える「生存保険」です。
今回は、個人年金について、定額タイプと変額タイプの比較や、受取方法を確認していきましょう。
【個人年金のしくみ】
定額・変額共通の決まり事
〔保険料払込〕
積立方式 または 契約時に一時払。
〔運用・据置期間〕
保険料の払込期間中に死亡した場合は払済の保険料と同額程度の死亡給付金が支払われます。
〔年金の受取〕
年金受取のほか、一括受取も可能。自分のライフプランに合わせて。年金の受給期間や受給金額を契約時に決める事ができます。
【定額個人年金とは?】
契約時に決められた保険料を払込み(積立or一時払)、保険料払込(据置)期間後の契約年齢から、決まった年金額を受け取れる商品。
〔メリット〕
・負担する保険料と将来の年金額が加入時に確認できるので、安定した収入として利用する事ができます。
・特約として、死亡保障や医療保障をプラスできる商品もあります。
・条件を満たせば個人年金保険料控除の対象となります。
〔デメリット〕
・加入年齢が高いと保険料は高くなります。
・将来の年金額が確定している反面、物価や賃金の上昇に対応していないので、インフレになった場合、実質的な価値が減少する可能性があります。
【変額個人年金とは?】
決まった保険料を払込み(積立or一時払)、特別勘定で主に投資信託で運用し、運用(据置)期間後の一定年齢から、運用損益に応じた年金額を受け取れる商品。最近は最低保証がついた商品が主流です。
〔メリット〕
・インフレに強く、運用益が出た場合年金に反映されます。
・最低保証がある場合は、元本保証のない投資信託に比べて投資リスクが低くなります。
〔デメリット〕
・運用リスクを負います。〔信用リスク・金利リスク・株価変動リスク・為替リスクなど〕
また、投資の知識が不可欠です。
・手数料が高い。初期手数料+運用中の保険関係費+投資信託の運用費用がかかり、これを上回る運用益がないと、マイナスになる可能性も。
・中途解約の場合は、手数料+運用損益により大幅なマイナスになる事もあります。使用使途のないお金を充てましょう。
【年金の受け取り方】
◇確定年金
受取期間があらかじめ10年・15年など決まっていて、生死にかかわらず支給されます。死亡した場合は、残りの年金が遺族に支給されます。
◇有期年金
受取期間が決まっていて、死亡した時点で年金の支給が止まります。
保険料を抑えて年金の充実を求める場合に有効です。
◇終身年金
死亡するまで年金が支給されますが、保険料が高く、長生きしなければ支払保険料総額が受取年金総額を上回るというリスクがあります。
◇保証期間付の場合
有期年金や終身年金は保証期間付のタイプが多くあります。このタイプは、保証期間中に死亡した場合、残りの保証期間に対する年金や一時金が遺族に支給されます。
【まとめ】
現在各保険会社より様々な商品が販売されています。相続対策として有効な一面もあります。複雑な商品も多いですので、担当者やFPなどにしっかり確認する事が大切です。メリット・デメリットを理解した上で、ライフプランに合った商品を選びましょう。
個人年金保険は10年超の長期にわたる商品がほとんどです。各保険会社の経営状態をしっかりチェックして信頼できる会社を選びましょう。
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