損害保険の最新リスクと見直しのポイント~インフレ時代の適正補償と新たなリスクへの備え~

第423回ロングリレーションズ倶楽部

テーマ:

損害保険の最新リスクと見直しのポイント~インフレ時代の適正補償と新たなリスクへの備え~

講師:

保険サービスシステムHD 株式会社
課長 吉岡 昌彦 氏

物価高騰が続く今、不動産経営における火災保険の見直しが急務となっています。建築資材や人件費の上昇により、過去に設定した保険金額では、万が一の際に物件を再建・復旧できないリスクが現実味を帯びているからです。大切な資産を守るためにも、現在の物価水準に合わせた適切な補償内容へのアップデートが求められています。

かつては最長10年の契約が可能であった火災保険も、現在は最長5年に制限されています。背景には自然災害の激甚化により、保険会社がリスクの算定ができないことが挙げられます。

また、資材価格の高騰・人件費の増加など様々な理由で建築単価が上昇しています。

そのため、建設当時に設定した保険金額では、万が一の際に物件を再建できなくなってしまうリスクが高まっています。

このようなリスクを避けるために建物の「再調達価額」を算出することが重要になっています。再調達価額の計算方法は次の2パターンです。

【新築年月・新築当時の建築価格がわかる場合】

建物評価額=新築当時の建築価額×建築費倍数

【新築年月・新築当時の建築価格がわからない場合】

建物評価額=1㎡あたりの新築費単価×延床面積

また、実際の物件の価値(再調達価額)に対して設定している保険金額が下回っている状態のことを一部保険と呼びます。この状態の最大の問題点は被害を受けた際に保険金が全額支払われない可能性があるということです。

例えば、再調達価額4200万円の建物に火災保険が3000万円しか掛かっていない場合、火事で1000万円の損害が発生しても損害額が削減される可能性があります。建物の再調達価額を算出し適切な火災保険に切り替えることで、いざというときに十分な補償を受けることができない、というリスクを回避できます。

「昔入った保険があるから大丈夫」という過信を持たず、物価高が進む今こそ、所有物件の今の価値を確認し、補償内容をアップデートすることが、安定した不動産経営の第一歩です。

 

 

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