いまできることを今からやる

日本の10年後の将来が明るいものであるのか、そうでないのかは誰も知る由もないが、日本が明るい状態になっているときに自分だけ取り残されている、という状況はうれしくない。

現状といえば、物価上昇に売上増加が追いつかないために従業員の給与を増やすなどできずにいることで悶々としながら、これまでもしてきたコスト削減を、さらに減らせるものがないかどうか思案している。という経営者は少なくないだろう。

思えば、国内の様々な工場が海外に出ていき、産業の空洞化が始まったときから日本経済は基礎代謝を低くし、さまざまな体調不良をおこして、いまはなんとか病床に伏せて生きながらえている。

その工場が日本に回帰しつつある。

理由はロシアや中国の姿勢が、西側諸国に半導体が安全保障の重要物資であると認識させたこと。また、海外から見た物価安と円安とにより日本の労働力が安くなったこと。さらに、高い技術力を持った多くの中小企業が産業を支える構造が残っていることなどがある。

これらの状況はしばらく続くと考えられるので、楽観的にみて日本経済の基礎代謝はあがってくるのではなかろうか。実際には戦争や円安が進みすぎたこと等で輸入資材が高騰したことと、人材不足などから設備投資計画と実施には差が生じて、完成が遅れる状況になっている。

とはいえ時間はかかるだろうが、いずれ日本経済の基礎代謝が上昇すれば、あらゆる分野でお金の廻りがよくなるだろうし、売上も賃金も上昇基調となることも想像できる。そのときに取り残されずに一緒に上昇するには、いままでと同じコスト削減メインのやり方で大丈夫だろうか。景気が良ければおそらく病床から出て歩くくらいにはなるだろう。でも走ったりスキップしたりするには値上げや新規開拓、新技術・サービスの開拓とともに、持続的な生産性の向上が欠かせないだろう。

そのために、いままではやってこなかったが、いまやれることは、今やらなければならない。

そのようにして、今は既に高水準で上昇の余地がない中小企業の労働分配率を下げつつも賃上げを実現し、さらに企業利益を確保できる準備を、その時までしたい。

 



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