MMTってどんなもの?

今年の7月の外部研修で中野剛志氏の講演を聞く機会がありました。彼は、経済産業省の役人であり、日本でのMMT理論の第一人者の方のようです。

役人なのに面白い人だと思い、彼の著書『目からウロコが落ちる奇跡の経済教室基礎知識』を購入して、MMTをもう少し深掘りしたいと思いました。

今回は、MMTとはどんなものかをこの著書に基づいて解説していきます。

♣MMT理論とは

MMTとはモダン・マネタリー・セオリー、日本語で言うと現代貨幣理論で、新たな経済理論ということです。

このMMTの考え方では、自国通貨を発行している国はどんなに自国建ての国債を発行しても国はデフォルトしないということです。

これは日本政府と日本銀行を一体と考えて借金の返済に必要な円を発行しているのが政府だから民間と違って借金を返済する必要はないのだからデフォルトはあり得ないという考え方です。

♣貨幣とは

この現代貨幣理論を理解するためには、貨幣とは何かを理解する必要があります。

貨幣の考え方には、信用貨幣論と商品貨幣論があります。MMTでは、信用貨幣論説を取っています。信用貨幣論とは貨幣を負債の一種とみなす考え方です。

甲さんが春に収穫した苺を乙さんへ渡す。その代りに秋になれば乙さんが獲った魚を甲さんに渡すことを約束する。この場合、春の時点では、甲さんは乙さんに対する信用が生じ、乙さんには甲さんに対する負債が生じています。秋になって乙さんが甲さんに魚を渡した時点で乙さんの負債は消滅します。

このように取引関係は信用と負債の関係と言えます。

♣税金とは

この現代貨幣理論では、税金は政府の支出に必要な財源を確保するのに必要なものとは考えていません。税というのは需要を縮小させてインフレ抑制するために必要なもの。インフレを抑えたければ投資や消費にかかる税を重くする。逆にデフレから脱却したければ投資減税や消費減税を行う。

つまりは、税金とは物価調整の手段と考えているのです。

このMMTを使えば、デフレ対策でやるべきことは見えてるのかもしれません。

 

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