中小企業の生産性を向上するには

2020年版中小企業白書では生産性向上のために以下の課題が挙げられています。

1 「付加価値増大」の必要性

▪我が国の中小企業は同一労働同一賃金といった「働き方改革」をはじめ、最低賃金の継続的な引き上げ、被用者保険の適用拡大など、相次ぐ制度変更への対応が必要。

▪中小企業の労働分配率は高止まり。労働者への分配が高まる中、起点となる付加価値の増大が不可欠。

2 差別化や新事業展開による「新たな価値」の創造

▪新たな製品・サービスの開発など、顧客に新たな価値を提供するような他社との差別化は、付加価値の増大に繋がり、生産性の向上に貢献。一般に、販売数量と販売単価は、トレードオフの関係と考えられているが、新たな事業領域に進出した企業の約4割で、数量・単価が共に向上している。

3 オープンイノベーションや人材投資による可能性の拡大

▪外部の技術やノウハウの活用は、中小企業の可能性を拡大し、新たな技術開発や製品・サービスの創出のきっかけに。特に、異業種企業や大学と連携している企業で生産性が大きく向上している。

▪中小企業が最も重視している経営資源は「人材」である。一方で、我が国の人的資本投資(Off-JT)は他国と比べて少ない。人材への投資に取り組むことで、生産性を更に伸ばせる可能性がある。

4 製品・サービスの優位性の「価格」への反映、取引条件の改善

▪製品・サービスの優位性が価格に十分反映されていないとする企業が、約半数。中小企業が最終的に獲得できる付加価値額を増やしていくためには、優位性を顧客に発信していく取組や、価格競争からの脱却、発注事業者との取引条件の改善が重要。

多くの中小企業にとって、市場を絞り、低価格ではなく差別化を目指した中小企業ならではの戦い方が重要であり、また質・量の両面での人材の不足に直面する中で競争の源泉となる人の育成に意識を向けながら、異業種も含めた外部の力を積極的に活用していくことが大切です。

 

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