座りすぎが健康リスクを高めていることをご存じですか?

コロナ禍の影響で、企業をいかに持続させていくか、社員の健康をいかに守るのかという課題に日々真剣に取り組んでいらっしゃることと思います。今回は、座りすぎが健康リスクを高めているという問題を取り上げてみたいと思います。

座りすぎが健康リスクを高めるという話題は数年前から指摘されていましたが、最近の在宅勤務の増加により、再びクローズアップされています。

私も基本的にデスクワークが中心ですので、繁忙期になると一日中座りっぱなしとなり、肩こりや腰痛に悩まされていましたので、座りすぎが体に良くないということは実感していました。

早稲田大学教授の岡浩一朗さんの著書「長生きしたければ座りすぎをやめなさい」という著書によると、オーストラリアの研究機関が、「テレビを1時間じっと座って見続けると、余命が22分短くなる」という報告や、「1日に座っている時間が4時間未満の成人と比べて、11時間以上座っている人は死亡リスクが40%も高まる」という研究結果を公表しているそうです。

また、世界20カ国の成人を対象に行った「平日の座位時間」調査では、日本人の成人が平日に座っている時間が、世界20カ国中最も長い7時間だとか。日本人は、世界で一番長く座っている国民なのですね。

WHO(世界保健機関)も座りすぎのリスクを指摘し、座って動かない生活は、喫煙、不健康な食事、アルコールの飲みすぎと並んで、がん、糖尿病、心血管障害、慢性呼吸器疾患を引き起こし、世界で年間約200万人の死因になると伝えています。いまや座りすぎも喫煙や飲酒と同じように健康リスクを脅かす問題の一つなのです。

では、なぜ座り続けるということが健康に良くないのでしょうか。

人間の筋肉の約7割が下半身に集中しているので、座り続けると下肢の筋肉が衰え、血流が悪くなります。

呼吸から取り入れた酸素も、食事からとった栄養素も、血流にのって体の隅々に運ばれ、老廃物も血液にのって回収されます。ところが、足の血流が悪くなると、こうした循環のリズムがいっせいに乱れ、代謝機能も低下します。すると、血中の糖の取り込みや脂肪の分解がスムーズにいかなくなり、余分な糖や脂肪があふれ出して、いわゆる「血液ドロドロ」の状態に陥るというのです。

その座りすぎの健康リスクを緩和するには、どうしたらよいのでしょうか。

答えは簡単、長時間座り続けて仕事をしないように工夫をすることです。つまり、日常の中で動くことを意識することが重要で、時々立って仕事をすることを習慣化させたり、30分間に数分は立つ時間をつくるだけでも効果があるそうです。

スポーツ庁のWeb広報マガジンにも企業が座りすぎ対策に取り組み始めたとあり、長時間座り続けないために机の高さを調節して立ちながらデスクワークができる昇降式デスクを導入している企業や、朝や昼休みなどに体操・ストレッチをするなどの運動機会の提供、階段の利用や自転車通勤の推奨、あるいはスタンディングミーティングを実施する企業の事例が紹介されています。

週末に運動すれば大丈夫と思われるかもしれませんが、座りすぎの健康リスクを帳消しにするには1日60分以上の運動が必要とする研究もあり、「座りすぎ」「運動不足」は別の問題とのことです。

ウィズコロナ時代で働き方が大きく変わる今こそ、クローズアップされた健康リスクを軽減する対策を考え実行するチャンスととらえ、積極的に取り組んでいきたいものです。

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