不動産は“どこ”をみる?

不動産これまでも「ちょっと先を読むNEWS」で度々不動産評価について触れてきたところですが、私、不動産の鑑定評価業務に従事した期間が長いこともあり、不動産鑑定評価について自分がどのような点に気を配っているかざっくばらんにご紹介できればと思います。

土地の評価を依頼された場合、最も重視しなければならないのは何でしょうか? 路線価? 公示価格? 固定資産税評価額? 私は現場だと思っています。現場に行ってその土地が持つ特徴を確認してくる。おおよそ土地には同じものというものはありません。全て個別的な特徴を有しています。最近はネットのマップ等でかなり詳細な情報を得ることができるようになりました。しかし、実際にはそこで得られる情報と異なることは多いものです。

最近こんな物件がありました。登記簿によると土地の地積は130㎡で、間口10m・奥行13mで幅員4.5mの舗装私道に接面する住宅地です。売り希望価格は3,600万円(坪91.5万円)、不動産業者によれば、周辺相場は坪100万円なのでお買い得だそうです。現地でも一見すると幅員4.5mの舗装私道に接面し、間口も10mある。

しかし、土地の中に立ち入って、奥行を測ってみると、土地の道路の反対側境界線から私道までの長さは12mしかない。登記簿記載の地積が間違っているのかと疑いましたが、地積測量図もあり、間違いなさそう。ということは?本件では、130㎡のうち10㎡は私道だったのです。

不動産つまり、登記簿上では宅地130㎡であるが、有効宅地部分は120㎡で、10㎡は宅地として使用できない私道なのです。そうすると、有効宅地面積でみた場合の単価は99.2万円。そんなにお買い得ではなかったという訳です。もし、中に立ち入らずに奥行を測っていなければお買い得と思って買っていたかもしれませんね。

 


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