第10話 逆もまた
【私 見】
ものごとの対極を意識する。二律背反その反対は二律双生か、対立を超える止揚もある。コインの裏表、正攻法に対し奇襲法など、世には真逆も大手を振っています。固定観念を持たない、安住の地を求めない、常に変化・挑戦する、既成に胡坐をかかないことでしょう。
【本書要約】
軽ライトバンLN360の試作車完成。後部扉の上下2枚開 きが特徴。そのヒンジ(蝶つがい)があまりにも見苦しく 突起していた。気になっていた。案の定、本田さんに見つかる。まずいと思ったが手遅れだった。「この格好は何だ」 「すぐ、直しなさい」。出っ張りを引込めれば位に軽く考えていたが簡単でないと判明。「そこを何とか」と設計担当に頼んだが扉上部の見切り線を水平に真っ直ぐにしない限り無理、とつれない返事。そこへ本田さんが現れた。「これ以上、何とも」。またもや一喝。そして、「それなら、外付けで考えて見ろ」と。これまで出っ張りを無くそうと努力してきたのに、いきなり見えるようにしろと言われて、面食らった。わけわからず、当初の5割増しくらいにした。今度こそ大丈夫と思ったが「ちっとも変わっとらん。まだ分からんのか」と怒鳴られ、ヒンジを床に叩き付けられた。
「こんなんじゃ目立たない。肩章は大きく光っているから 後利益があるんだ」と。更に 5割増しに、最初の倍以上の大きさになり、やっと「オッケイ」が出た。以来そのヒンジは、仲間うちで「肩章」と 呼ばれるように。それが世の中に出て、誰から も厭だとか嫌いだとか言われなかったところを見ると、私の方に「小さく目立たなく」という拘りがあったのかも。「逆もまた」というか「押しても駄目なら」というか、一方 だけで凝り固まっていては新たな進展はない。また自分だけの考えで閉じこもっていては拡がりがない。不特定多数のお客さんに喜んでいただくのは、大変なことだと思い知った。
【判 定】
目立たせるか、見せないか、逆転の発想は常にある。とらわれてはいけない。
滝田式経営熟語帖 No.104
ビジネスの 名著から読み解く 経営のエッセンス!
「本田宗一郎との叱られ問答」岩倉氏全52話への滝田の挑戦
社友 岩倉信弥氏の52話「千字薬」より
ケビン・メニー著
トレードオフ
~上質を取るか、手軽を取るか~
〜 抜粋・要約 〜
人は日々、何かにつけて「上質さ」と「手軽さ」のいずれかを天秤にかけている。すべてはトレードオフで説明できる。ビジネスの成否はこの二者択一にかかってい る、中途半端はダメ。
ファーストフードかレストランか、野球をテレビ観戦か スタジアム観戦か。
上質さとは経験・オーラ・個性の3つの足し算で決まる。例えば、ロンドンの高級テーラーで作ったスーツ は、強いオーラを放ち、上質感を増す。
手軽とは入手しやすさで、簡便性と経済性の2つからな る。例えば、電子レンジは手軽だ。上質はつきつめると 「愛される」ということで、手軽とは「必要とされる」と同意義だ。両方を備えることは幻影である。幻影を追い 求めて失墜する。
高級ハンドバックCOACHは高級ブランドとして大成功 をしたが、上質さと手軽さの二兎を追って失敗する。逆 もしかり、マックはレストランを開店したが失敗してい る。都市部以外の地域の超手軽な小売店のウォルマートは都市部の中心部へ高めの洒落たアパレルも扱う出店を して失敗している。
スターバックスは当初上質さ・個性があり、独特のオー ラをまとっていたが、拡大路線を契機に、手軽な店に進む。手軽さは上質感を打ち消す、手軽になるほどオーラ は失われていく。ブランドがどこにでもある見慣れた存在になるのは命取り?わざわざ行くのでしょうか?
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
あちら立てればこちら立たず、二律背反から二律双生は砂上の楼閣か?
滝田のブログ 「こんころもち、ついてる・のってる、いと楽し!」http://plaza.rakuten.co.jp/konkoro/
神奈川県川崎市で税理士・社会保険労務士をお探しなら
経営者のパートナーとして中小企業の皆さまをサポートします
“第10話 逆もまた” に対して1件のコメントがあります。
コメントは受け付けていません。