「おこづかいゲーム」 と初めてのおこづかい

◇ おこづかいゲームとの出会い

私が『おこづかいゲームブック』 という本に出会ったのは 1年半位前だったろうか?最初は「ふ~んこんな本があるんだ」と軽い気持ちで読んだのだが、著者の羽田野さんの子育て・金銭教育に惹きつけられてしまった。

簡単に紹介すると、最初は好きな物を買う事から始まったおこづかいが、徐々に金額も増え、学用品や定期代も含め、月ぎめが年俸制になり自分(子供)に係るお金すべての家計管理をさせるというもの。羽田野さんはこれを子供に実践していたのである。

実はFPになるまで家計に必要な知識をあまり知らなかった私。「子供のうちからお金に関する知識は持ってた方がいい。授業で金銭教育もすればいいのに !」と思っていた。反省もあり、その後すぐ本を購入、ゲームを行った。

当時娘は幼稚園の年中。買い物に行けば「ガチャガチャやりたい☆ラブベリーやりたい☆」とうるさく、買い物にもできるだけ連れていかなかった。1度許すとクセになるからと思い、いつもその場から動かない娘を引きずるように連れて帰ったものである。

親子3人でのゲームは、最初は『お買い物ごっこ』のようであったが、「おこづかいをもらえる喜び♪」「好きなものを自分で選ぶ喜び♪」「お金が足りず買えない悲しさ➘」など感じたようだ。回を重ねるごとに、お金の数え方が早くなり、買い物にも『必要なもの(ニーズ)』と『ほしいもの(ウォンツ)』があることに気がつく。それを普段の買い物の際に問いかけると、自分で判断がつくようになっていった。意外な効果としては、2桁以上の足し算は難しくても、お金に例えると理解できる事。これもゲームの成果かもしれない。

4月から小学生になる前の春休み。入学準備の為、学用品を揃える際に、娘にこう告げた。「必要な物は最初に揃えます。ただし、失くしたり、無駄遣いしてあっという間になくなったり、キャラクターや柄に飽きてもママは買わない。その時はおこづかいで買いなさい !」 その結果キャラクター物は飽きるから・・・と1つも選ばなかったのである。
そして4月から本当のおこづかい制を始めた。金額は月500円。条件は、「おこづかい帳をつける事」と「決められたお手伝いをする事」。ちなみに内容は「毎日パパの靴を磨いてだす事」である。今の所、寝ぼけながらも達成している。そしておこづかいは夫の給料日の翌日に夫から渡してもらう。必ず『ありがとう』といわせる。だから最初は4月26日だった。初任給もバイトも最初の給料までは何も出ないのだし・・・。でもこれはあくまでも家族の義務で労働の対価としてではないつもり。お手伝いしたら1回100円とすると、お金が足りない時だけやればいいやとなっては困るからである。

100円ショップに買い物に行く時に、早速おこづかいを持っていった。嬉しそうに買ったのはシール1つ。その後『おこづかいで買いたい病』を発症し気前よく遣ったり、貯金箱を数える楽しみの為に貯め込んだり、を繰り返している。実際はゲームと同じ様には行かないものだ。だけど、おこづかいの遣い道には極力口出ししないつもり。これから遣い過ぎると必要な物が買えない事やお店によって値段が違う事なども徐々に学んでいくのだろう。

◇ インストラクターとして

この本との出会いをきっかけにNPOマネースプラウトで研修を受け『おこづかいゲーム』のインストラクターとして活動するようになった。何度か親子でのゲーム会を開催した。娘の友人など、幼稚園児対象が多いが、まだお金の価値がわからない時期だからこそ、お金も物も『大切につかう』事を感じて欲しい。今時の子は6ポケットで与えられる事に慣れてしまっているから、なおさらである。幼稚園児向けはお買い物ごっこであるが、小学生には銀行の役割やローンについてもゲームで体感できるようになっている。大人がやっても結構楽しめる。早くからローンの仕組みがわかっていれば、安易にカード破産への道に進む事もないのでは…と思う。

でも実は子供に対する金銭教育ではなくて親への金銭教育では?とも思う。子供のお金の遣い方は、一番身近である母親の影響を大きく受けているからである。 ぜひ一緒に『おこづかいゲーム』を体験し、わが身を振り返り、家族で楽しくお金について話し合って欲しいと願うのである。

菊池恵子
(ファイナンシャル・プランナーの相談室スタッフ、CFP)

cl200707_03NPO法人マネー・スプラウト代表 羽田野博子著
『New おこづかいゲームブック』
http://moneysprout.hp.infoseek.co.jp/

 


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