表計算とデータベース②

今回は表計算とデータベースの違いについて簡単な図や表を使って分かりやすく比較していきましょう。

1.「形」の違い【入力】

図1を見て下さい。表計算(左側)はタテヨコ形式が一般的です。書式フォームが決められており、見やすく整理された形になっていますので、会議の報告用・定型業務の集計用として活用されています。形は「重箱」のようです。

一方、データベース(右側)は、「1行1データ形式」という見慣れない形で、「すだれ」のような縦に長い形になっています。

表計算の世界にいる方からすれば「何だこれは?」見難い・入力しづらい・報告用には使えない等、違和感(拒否感)を持ってしまうのですが、「蓄積されたデータを加工して仕事する」のがデータベースの主な活用方法なのです。

データを追加する場合、表計算ではわざわざ行(ヨコ)・列(タテ)を追加して罫線引いてから項目とデータを入れていく必要がありますが、1行1データ形式のデータベースでは単純に順不同で下にデータを付け足していくだけでよく、修正も行や列ごとにまとめて「操作一発ドン」で済んでしまうのが嬉しいですね。

蓄積データは、ストック情報の塊(データバンク)であると考えて下さい。(罫線や計算式などは不要です。)

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2.「操作の流れ」の違い

【加工の工程】

図2にある通り、表計算は「まず作表(結果、目的地)ありき」で、データを【入力】すると同時にデータが【加工】され【結果】が導き出されます。【入力+加工+出力】の一連業務が【1パック】になっています。

つまり、ある結果(目的)があってその達成のためにその都度「重箱」のような升目の表を作成し、その表のセルにデータや計算式を入力・コピーしていきます。(仕事の数だけ「表やファイル(重箱)」が増えていくので、情報の日常管理や他人への業務引継ぎが大変です。)

一方、データベースでは、「まず原データ(蓄積)ありき」で、目的毎に1回1回表を作ることはせず、まず、原データを【入力】蓄積しておき、あらゆるデータが【加工】出来るよう、また、【結果(目的達成)】が導き出せるように準備しておく、というように表計算とは別の順序(発想)になります。

【入力】→【加工】→【出力】の作業工程が「個別に」分けて行えるので、思いついたらいつでも必要な仕事だけを行うことができ、まとまった時間がとれなくても仕事を一口サイズに小分けにして効率的に処理していける、という利点があります。

さらに図3の通り、表計算では「仕事1に対して作業1」が普通ですが、データベースでは「作業1に対して成果無限」という効率的・戦略的な使い方が出来ます。使う【データ】と操作の【加工】の組み合わせから導き出される【結果・成果】は無限になります。

まずは「形」、次に作業(データ加工)の流れが違うことがお分かりいただけたと思います。次回は「発想」と「機能」の違いについてです。

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<参考文献>
『だからあなたは、いつまでたっても「エクセル」がうまく使えない』
佐藤 雅栄 著
(経営実務出版2000年)

記・神奈川県藤沢市在住
製造メーカー勤務 T

 


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