新しい価格破壊の時代

いま、急速に伸びている会社がある

10年にも及ぶ景気低迷が続いていますが、この景気低迷の中でIT関連産業以外でも急速に伸びてきている業種もあります。かって大量消費時代を背景にスーパーストアとして低価格で進出してきたダイエー、ヨーカドーなどの時代と異なり成熟した社会の中で、回転寿司、100円ショップ、ドンキホーテ、ユニクロ(UNI-CLO)、良品計画など低価格を武器に売上を伸ばしています。

これらの業種の特徴は、徹底した低価格の追求で、最初は「安かろう、悪かろう」でした。しかし、いつの時代でも質はともかく量や価格を訴求する層があり、景気低迷の閉塞感の中でこれらの層に一定の量が売れ採算ラインにのると、チェーン展開やフランチャイズ展開などにより自分の力だけではなく大勢の力を集めて急速に伸びてきました。

新しいビジネス・モデル…スピード、グローバル化

新しい業種の特徴は、多様化、個別化、少量多品種と言われる中で、低価格、大量販売を基本としていることです。

この大量販売を支えているものは、チェーン展開やフランチャイズ展開などによるビジネス展開をしていることです。自分の力だけではなく大勢の力を集めて非常に速いスピードで店舗展開をしていることによりスピードが早まり、新規参入のチャンスを与えず業態別でシェアーを独占状態に入っていることです。

速いテンポ展開は販売量が急速に伸びることで、商品の品揃えが豊富になり、生産者もコスト引き下げが可能となり品質が急速に良くなってきています。「量は質を変える」と言いますが、質がよくなることにより、客層が拡がってきて、さらに店舗展開にはずみがついてくるという良い循環に入っています。

また、グローバル化によって商品の調達先、仕入先、生産工場が日本国内に限ることなく、広く東南アジア、中国など人件費を中心にコストの安い外国で生産させ、仕入れることができるようになりました。かっては価格が安くても品質がよくなかったのですが、資本主義経済に慣れてくるに従って、ここ数年に急速に生産性や品質も向上してきています。

安くて良いもの…60点主義の大量販売時代

価格破壊のもう一つの特徴は、60点主義で商品としては合格点に達していて十分機能を果たしているが、とびきり上等の品質を要求しないことです。

「ブランド」を求めず、「コモデティ」に徹すると言うことでしょうか。長引く景気低迷を背景にして生活に不安感があり、多様化の中で自分だけのものを求める「ブランド」指向と、日常生活の中では徹底して低価格のものを求めて消費にも2極分化が起こっているのです。

低価格イコール利益ゼロではありません。低価格でも利益のでるビジネスモデルをどう見いだしていくかがこれからの企業が生き残っていく一つの方向ではないでしょうか。

(小川 湧三)

 


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