令和5年年末調整

今年も年末調整の時期になりました。皆様、準備はいかがでしょうか。令和5年分の年末調整に関して、大きく3つの変更がありました。

❶ 住宅ローン控除の控除率、適用期間等

住宅ローン控除の控除率、適用期間等が変更となりました。住宅ローン控除は、初年度は確定申告が必要ですが、2年目からは年末調整での控除が可能となります。そのため令和4年度の税制改正が今回の年末調整から適用となります。

控除率:

1%から0.7%へ引き下げ

控除期間:

新築住宅は13年へ延長(中古住宅は従来通り10年)

入居期限:

令和7年12月31日までの4年間に延長

所得要件:

その年の合計所得金額が3,000万円以下から2,000万円以下へ引き下げ

変更前の場合と混在しますので注意が必要です。

❷ 退職所得を除いた所得の見積額の記入

控除対象配偶者または扶養親族に退職所得が見込まれる場合、退職所得を除いた所得の見積額の記入が必要となりました。

これは、所得税計算時と住民税計算時の退職所得の取り扱いが異なるためです。所得税計算時は合計所得に退職所得も含まれますが、住民税の計算時は合計所得に退職所得は含まれません。そのため所得税は控除対象外、住民税は控除対象となるケースが発生します。この場合の住民税計算での適用漏れを防ぐことを目的として、申告書の最下部に「退職手当等を有する配偶者・扶養親族」の欄が追加されています。

❸ 国外居住親族の範囲

扶養控除等が適用される国外居住親族の範囲が一部変更となりました。

これまでは16歳以上の国外居住者は全て扶養控除の対象となっていましたが、変更後は「30歳以上70歳未満の非居住者」が対象外となりました。ただし、留学生・障害者・扶養控除の適用を受けようとする居住者から38万以上の送金を受けている人に該当する場合はこれまで同様、控除の対象となります。これにあたり、申告書の非居住者である親族の欄に選択箇所が追加となっています。また、該当する場合は新たに各種証明書類の提出が必要となります。

今年一年のまとめでもある年末調整、適切な控除を行うためにも変更内容を確認しましょう。

《参考文献》

国税庁:令和5年分扶養控除等(異動)申告書、給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書の記載例
国土交通省HP:住宅ローン減税

 



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