プロスペクト理論

プロスペクト理論とは、1979年にプリンストン大学のダニエル・カーネマン(Daniel Kahneman)とエイモス・トベルスキー(Amos Tversky)の共同研究により、経済学の論文誌「エコノメトリカ」で発表されました。

プロスペクト(prospect)という英単語は、「期待」「予想」という意味で、「この先、どうなっていくのだろうか?」という見通しのことです。

すなわち利益や損失という不確実な状況の中で、人間がどのように意思決定を行なうのかをモデル化したものです。

プロスペクト理論には3つの原則があります。

❶損失回避性

損失回避性とは、「利益」から得られる満足より、同額の「損失」から得られる苦痛の方が大きいために、「損失」「利益」より大きく評価する心理現象のことです。

人間は、「得をすること」以上に「損をすること」を恐れる傾向があります。一般的には人間の脳は、何かを得る喜びより、何かを失う悲しみの方が2倍ほど大きく感じると言われています。

❷感応度逓減性

感応度逓減性とは、「利益」「損失」の絶対値が大きくなるにつれて、「嬉しさ」「悲しさ」の感覚が鈍っていく現象です。

❸参照点依存性

参照点依存性とは、ある地点の数値を基準として、その基準値からの変化で損得の判断をすることです。

人が何かを選ぶときに基準となる参照点が状況によって変化することを言います。

その時の気分や環境、雰囲気などで判断基準が変わっていきます。

原則の中でも特に、損失を避けようとする「損失回避性」は重要で、ビジネスの現場でも活用されています。

プロスペクト理論のビジネスの現場での応用例としては
・無料・割引キャンペーン
・期間限定・人数限定
・各種優遇制度
・ポイント付与
・返金保証・修理保証
などがあります。

 



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