第51回 ブロックチェーンゲームで小学生が月2万円稼ぐ時代が到来❸

情報セキュリティ連載
第51回 ブロックチェーンゲームで小学生が月2万円稼ぐ時代が到来❸

2 アクシーインフィニティってなに? ②

NFTとメタバースが仮想空間を現実のものにする

前回はNFTの構造についてお話させていただきました。今回はこのNFTがゲーム業界、さらには人々の生活に影響を与え始めていることについてです。

★ NFT技術の将来性

前回の記事で取りあげましたNFTの技術を利用すれば、ゲームのキャラクターをゲーム間で移動することができます。

例えばAというゲームで使っていたαというキャラクターがいるとします。従来のゲームで10人がそのゲームのαを利用していてもそのαはそれぞれ装備が違ったり経験値が違ったりしますが、あくまでもそのプレーヤーが育てたゲーム内だけのαになってしまいます。しかしながらNFT化されたゲームでは同じαでもそれぞれ異なったαでありゲーム間をαの特性を持ったまま行来することもできるようになりますし、Bというゲームでそのままの特性をもったまま使えるようにもなります。

今後ゲーム業界でこのNFTが主流になるといわれていますが、上記のことからすれば自然なことでしょうし、ゲームの構成も変わってくると思います。すでにスクウェア・エニックスはサンドボックスというブロックチェーンへの参加を表明しましたし、ゲームの可能性が広がり始めています。

★ メタバースという言葉が話題に

NFTの話題になると必ずといっていいほど出てくるのが「メタバース」という言葉です。メタバースとはmeta(超越)とuniverse(宇宙)を組み合わせた造語です。定義はまだ確立されていませんが、意味合いとしてインターネット上の仮想空間での交流やサービスとして捉えられているようです。NFTとメタバースは性質上全く異なったものですが、なぜ一緒に扱われるのでしょうか。答えは「NFT技術の将来性」にあります。NFTの技術はコピーされやすいデジタルの世界でコピーを作らせない仕組みのためデジタルに価値を生みます。デジタルに価値が生まれるとその価値に気づいた企業、ユーザーが集まってきます。

結果として経済が生まれることになります。そんな単純に行くか?と疑問符を付ける方もいると思います。

★ すでにメタバースの世界で経済活動が行われている

メタバース事例として良いのが、ニンテンドースイッチの「あつまれどうぶつの森(以下「あつ森」)」です。

例として10〜15年前の恋人の会話とあつ森を利用している現在の恋人の会話を挙げましょう。昔の恋人の通信手段は家電、ポケベル、携帯電話で、つまりは話すことがメインでした。一方、あつ森を利用できる世代の恋人の通信手段はどうでしょうか。あつ森にはお互いの島を行き来できる機能があります。この機能を利用してインターネットの空間でデートをすることができます。あつ森自体にはビデオ通話機能はありませんが、SkypeやLINE、FaceTimeなどのビデオ通話を利用すればゲームを通して鬼ごっこや、今日あったなにげない話などの体験ができるようになります。電話と違いお互いの視覚、聴覚に共通の情報が流れ込むので、脳にリアルな感覚を与えます。

★ メタバースはより現実世界を豊かにする

では、上の例では遠距離恋愛の恋人を例にしましたが、テレワーク注で仕事をパソコン上で完結できる場合はどうでしょうか。仕事を仮想空間で行えるため、仕事の為に居住を制限されず恋人、家族と生活することも可能となります。これがメタバースの本質であり、物理的距離の壁を軽減する効果をもたらすものです。

現に新型コロナの影響もありテレワークが進み、メタバース上で仕事をするという環境が整いつつあります。結果としてテレワークを利用して郊外へ移住してるケースも増え始めています。

メタバースというと、VRゴーグルを付けるイメージがありますが決してそんなことはなく、PC画面上でも仮想空間を表示することは可能なのであつ森のような感覚でメタバースに触れることができます。あつ森のようなゲームはほとんどがメタバースであり、メタバースは元々あったものです。NFTという技術によりデジタルに価値が生まれたことでメタバースが脚光を浴びた形となりました。

今回はメタバースの経済のお話をしました。次回は、徐々に拡大し続けるメタバース空間で需要が拡大している仮想通貨についてお話します。NFT、メタバースの関係性から仮想通貨の需要が垣間見えてきます。

※ 本記事に記載されている個別の銘柄・企業名については、あくまでも記事の内容として記載したものであり、その銘柄又は企業の株式等の売買を推奨するものではありません。

(注)現在主流のテレワークはメタバースと定義することはできませんが、マイクロソフト社やMeta社(旧フェイスブック)は仮想空間の機能を取り入れたテレワーク機能を開発しておりテレワークもメタバースの一部になるといわれています。

 



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