家計を取り巻く環境

クローバー通信 No.201

まだまだオミクロン変異株の感染者は多く、別の変異株出現の可能性はありますが、世界はコロナ後に向けて動き出しています。外食や旅行の制限がなくなり、今まで我慢していた物・事への出費が増えていくでしょう。もう一度様々なサービスを見直し、優先順位をつけていきましょう。

1 生活様式の変化

コロナウイルスによる変化

コロナウイルスの感染拡大は、私たちの生活に様々な変化をもたらしました。外食・旅行の代わりに、自炊やデリバリーが増え、テレワークの導入・オンライン授業など、家庭でもデジタルへの対応が進み、ゲームや動画配信サービスなどデジタル娯楽の利用が大きく伸びるなど、家庭に居ながら仕事も買い物も娯楽もできる環境が整ってきました。

コロナウイルス終息後、私たちの暮らしはどうなっていくのでしょうか…。

2 物価上昇への備え

コロナウイルスの感染拡大による経済活動の制限や、世界的な金融緩和政策の影響で、人件費の上昇や物流の停滞など様々な問題が起こりましたが、世界的にはコロナ禍から景気回復に向かい需要が急増する中、ウクライナ情勢など地政学リスクもあり、原油・穀物・金属など国際製品価格が上昇しています。

日本では、原料高と円安と二重の負担がかかり、企業努力だけでは価格維持が難しく、今年に入ってから製品価格への値上げに踏み切る企業が増えてきており、家計への影響が懸念されています。節約も大事ですが、代替品がないか、時期をずらすことができるか、または価格は高くても国産に目を向ける事も選択肢です。日本の生産者や企業を応援する事で、業績や給与にもプラスになり日本経済の活性化につながります。


住宅ローン金利の上昇

住宅ローン金利も上昇しています。3メガバンクでは10年固定型を2月適用分より引き上げ、2016年以来の高水準となりました。長期金利の上昇に伴う措置ですが、金利の見直しのタイミングで支払額が増える可能性があります。

変動金利型は、今のところ変わりませんが、短期金利が上昇し始めるころには、長期金利はさらに上昇している可能性があります。借り換えの判断は難しいですが、早めにシミュレーションをしておきましょう。


3 家計管理のポイント

生活に必要な[ニーズ]と、なくても困らない[ウォンツ]と、区別して考えましょう。

また、安易なキャッシングやリボ払いなどにも注意しましょう。

① 目標の共有化 何を優先させるのか?

夫婦間の家計の共有化も大事なポイントです。家庭環境や時期により、共働き・専業主婦など働き方も様々ですが、現在妻の有業率は70%を超えており、収入に合わせた支出の方法を考える必要があります。

夫婦の家計管理は、誰がお財布を握っているか、管理の方法も様々ですが、貯まりやすいのは、生活費も貯蓄も夫婦共同で管理するタイプです。情報を共有し、家計を見える化しましょう。

現金を使う場合は、レシートの写真やメモ代わりにSNSでデータを共有するのも1つの方法です。

② 予算化する

使途不明金をできるだけなくし、目的をはっきりさせ予算化しましょう。貯蓄分は先取りし、家計が赤字にならない範囲で想定外費用や無駄遣い枠を設定し、その中で使い切る方が、満足感を得られ結果的に節約になる場合が多く見られます。

③ 目的別に口座を分ける

家計簿をつけレシートの中身まで細かくチェックするよりも、基本生活費とそれ以外の費目ごとにざっくりと口座を分けると、管理がしやすくなります。

日常生活費  ローン返済  貯蓄用  予備費など

4 キャッシュレス化への対応

現金信仰が強かった日本でも、コロナを機にキャッシュレス化は進み、〇〇ペイといったコード決済の利用が増えてきました。便利な反面、お金を使った感覚が乏しく、使い過ぎてしまう場合も。

コード決済とは?

スマートフォンを活用したキャッシュレス決済手段です。自分のアプリに表示されているQRコード(バーコード)を店舗側の端末で読み込んでもらったり、店舗側で用意されるQRコードを自分のアプリで読み込んだりすることで、財布から現金を出すことなく、手持ちのスマートフォンで簡単に決済が完了します。クレジットカードに紐づけする他、現金入金できるアプリもあります。

キャッシュレス決済の注意点 使い過ぎを防ぐには…?

無計画な利用では予算オーバーになる可能性が高くなります。特にオートチャージ機能を利用していると常に残高があり使いすぎる傾向にあります。日々の買い物はデビットカード、おこづかいはコード決済など、利用する方法毎におおまかに予算を決め、使い分けると良いでしょう。

デジタル化への対応

デジタル化・ペーパーレス化の流れは止まりません。金融機関では、支店の統合、通帳、口座管理、小銭両替手数料の引き上げ、有料化などが始まり、オンラインでの手続き・取引が推奨されています。パスワード管理用には紙で記録を残すことも有効です。苦手意識を持たず、得意な人と一緒に取り組みましょう。

決済方法決済時期利用限度額・特徴
交通系
電子マネー
前払い入金額
クレジットカード紐づけによるオートチャージに注意
デビットカード即時払い預金口座残高
クレジットカード後払い利用上限額は、本人が設定
またはカード契約による高額品にも対応
コード決済前払い
即時払い
後払い
ポイント払
入金額
預金口座の残高
クレジットカードに紐づけ

カードがあれば何でも買える? 子どもへの対応

現金を見たことがない、カードやスマホで何でも買えると思う子どもが増えています。

現金を渡して「お金」を認識させることも大事ですが、キャッシュレス化にも対応させなければなりません。小さいうちからお金を管理する事を学ぶためにも、プリペイドカードを利用する、本人の口座へ振り込みするなど、年齢に応じて対応していきましょう。


まとめ

人々の行動様式は変わり、家族の形も、住む場所も、暮らし方も、それぞれの選択によって同じものはありません。収入や資産が多ければ、必ず幸せとも限りません。収入が少なければその範囲内で支出をし、かつ家計に対する意識と節約への取り組みも高くなります。価値観の変化を受け入れ、物や場所に固執せず、自分にとってのライフスタイルを作り上げていく事も必要です。

キャッシュレスに慣れ、現金を持たずに困るケースもあります。デジタル化が進んでも、停電やインターネット環境に問題が起こると、何もできなくなってしまう事もあります。物忘れや孤独化でIDやパスワードがわからなくなってしまうリスクもあります。それでもデジタル化・キャッシュレス化の流れは変わらず、様々なサービスが連携していく事でしょう。アナログな方法も併用しながら取り入れていきたいですね。

 

 

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