無策の証明

何もしなかった政府

ダイヤモンド・プリンセス号以来1年をとうに過ぎても、まだまだコロナは収まる気配がなく、さらに拡大を見せ第4波のコロナ攻撃を受けて、政府は対策ではなく対応に追われている様は異様である。

コロナ第4波により第3次緊急事態宣言が出される前後から「○○○最多更新」の記事、ニュースが続いている。

ダイヤモンド・プリンセス号以来、見つかった(発症した)コロナウイルス罹患者の治療を行うのみであって、コロナを積極的に探し出し隔離・撲滅することをせずに、見えないコロナに感染しないように逃げ廻る行動抑制を国民に強いるだけである。積極的にコロナを見つけ出し、排除する政策は何もしてこなかった。

未発症感染者は発症者の何倍もいるといわれている。これが正しければ、何十万人もの潜在感染者が市中に放置されていることになる。

この未発症感染者を野放しにして、国民にただひたすら行動抑制を求める政府の方針は「無策」としか言いようがないのではないか。

ダニエル・デフォー(※1)や武漢日記(※2)ではないが、パンデミック感染の対策、唯一無二の対策は、未発症感染者をどれだけ早く見つけ出すか、見つけ出し素早く隔離することであることは、繰り返し述べてきたところである。

「医療逼迫、17時間待ちぼうけ 救急に頼れず死者も」(5/21)

「重症者最多1235人、各地で危機的状況」パンデミック発生1年過ぎてもこのような報道がされていることは政府の無策を証明する以外の何物でもない。

コロナに翻弄される政府

未発症感染者を見つけるPCR検査も一部実施する団体なども出てきているが、部分的にやっても効果は極めて限定的で、1回やればよいというものではなく、限りなく頻繁に継続的、かつ広範囲にやらなければ効果が出てこないものであるから、実施する企業・団体も負担に耐えられないであろう。

図は昨年10月号に掲載したものであるが、無策の左図のとおりに推移している。第1次の緊急事態宣言と同時に徹底した早期発見・早期隔離・重症化防止策をとっていれば今頃はワクチンを待たなくとも右図のように「オリンピックの旗がクッキリと見えていたのではないか」と思うと残念でならない。

なぜこうなったのか、日本人観、日本観が紹介されていたので、抜粋を紹介して、あきらめのよすがとしたい。

変われない?日本人・日本

コロナ対策に対する日本人あるいは政府の動きについて評論がいくつか出ているが、その中から一つ、なるほどと思ったので紹介したい。

週刊東洋経済4月10日号「少数異見」に掲載されていたもの。(※3)

『敗戦までは、軍部に箸の上げ下ろしまで統制された。負けた途端に自由放任、自分で生きて行けと言われても、どうしたらいいかわからない。その恐怖心が現在まで続いている。

コロナ禍では正気を失いやすい日本人の特徴が顕著に表れた、というのは言いすぎだろうか。(中略)76年前にあれだけ痛い目に遭ったのにまたも正気を失いつつある日本の姿に、危機感を覚えずにはいられない。』

(※1)2020年7月号(※2)2021年4月号 参照(※3)日本経済新聞5月11日付「オピニオン」秋田浩之氏「80年間、なぜ変わらない」も同旨、長文のため割愛 

 

税理士法人LRパートナーズ
代表社員 小川 湧三
 

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