事業用資産の買換え特例

事業用資産の買換え特例

~買換え後の建物の取得価額について~

10月号のほっとタイムスで事業用資産の買換え特例のしくみについて説明をしました。

今月号は事業用資産の買換えの特例を受けて買換えした資産の取得価額とされる金額について説明します。

譲渡資産である事業用の土地からの買換え資産の選択としては、次の3つがあげられます。

①土地を買換資産とする場合
②建物のみを買換資産とする場合
③土地と建物を買換資産とする場合

事業用資産の買換え特例のデメリットは、譲渡資産の取得費が買換え資産に引き継がれる事です。

取得価額の引継ぎについて説明します(譲渡資産の売却額よりも買換え資産の購入額の方が多額である場合)。
〈例〉
・事業用資産の売却代金=2億円
・譲渡資産の取得費=1千万円
・買換資産の価額=4億円(土地2億円、建物2億円)

①土地を買換資産とした場合

建物の実際の取得価額である2億円が取得価額になります。
2億円を基に減価償却費を計上します。

②建物を買換資産とした場合

☆建物の取得価額(取得費の引継ぎ)

【譲渡資産の取得費+譲渡費用】╳80%+【買換資産の取得価額】╳20%
(1千万円+0)×80%+2億円×20%=4千8百万円
取得価額は4千8百万円になります。
4千8百万円を基に減価償却費を計上します。

③土地と建物を買換資産とした場合

☆取得価額の計算

①1千万円×80%=8百万円
②2億円×20%=4千万円
③4億円ー2億円=2億円
①+②+③=2億4千8百万円

☆土地と建物の配分の計算

2億4千8百万円×2億円/4億円=1億2千4百万円

☆建物

2億4千8百万円×2億円/4億円=1億2千4百万円

※買換資産を売却した場合の取得価額は、実際の購入額ではなく、上記で計算したように、土地については1億2千4百万円、建物については1億2千4百万円から減価償却費を控除した価額になりますので注意が必要です。

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◎上記のように「事業用資産の買換え特例」は、譲渡資産の取得費が買換資産に引き継がれてしまう為そのメリット、デメリットを考え適用するようにしましょう。

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