ブーメラン社員のすすめ

(一度退職した人の再雇用)

近年は慢性的な人手不足と言われています。それ故、求職者の売り手市場が続き、人を採用すること自体が非常に難しくなっております。求人サイトも乱立し、まさに人材の奪い合い状態です。

そこで注目したいのが、一度退職した社員の再雇用、いわゆる出戻り社員です。
アメリカでは「ブーメラン社員」と呼ばれ、主流になりつつあります。

再雇用するメリット

再雇用 メリット

① 即戦力となる

・従前に働いていたため、会社の仕組みや仕事内容等の理解もあり、まっ更な状態で中途社員を雇用するよりも早く順応する可能性が高いです。

② 採用コストが安い

・社員を採用するとなると、求人媒体への登録等で莫大な費用が掛かります。その点、再雇用ならばそういった媒体への登録も必要なく、コストが抑えられます。

③ 人となりがわかっている

・履歴書や職務経歴書でははかりかねる人物像も、再雇用であれば最初から把握済です。

④ 他社を経験したことにより、会社の良さをわかっている

・退職後に古巣の良さが身にしみてわかる事は往々にしてあることで、退職を検討している社員への良き相談相手となり、ひいては離職率の低下に結びつく可能性があります。

再雇用する場合のデメリット

再雇用 デメリット

① 現存の社員とうまくいかない可能性

・例えば、高待遇で再雇用した場合、他社でスキルアップしていた場合であっても、その間会社に貢献していたわけではないため、既存の社員との軋轢が生じる可能性があります。また、従前の在職時の部下が上司になったり、その逆もあり、一筋縄ではいかない場合もあります。

② 従前の退職理由が改善されておらず、再度退職する可能性

・人間関係の軋轢、業務フローが合わない等、退職したからには理由があるはずです。それが以前と同じ状態であれば、必然的に再退職に至るかモチベーションの低下を招く可能性があります。

〈まとめ〉

上記のように、出戻り社員にはデメリットはあるものの、人手不足に一躍買うことは間違いありません。

デメリット部分について、例えば①については既存の社員の意見を尊重し、反対する社員が多い場合には再雇用しない、②については再雇用を円満退社した人に限ったり、退職後の期間に制限を設けること等によってある程度は解消できるのではないでしょうか。

社員の出戻りではないですが、プロ野球界においても、かつて広島カープからFA宣言をして阪神タイガースに移り、再び広島カープに復帰した新井貴浩選手の例があります。移籍した当初はファンから裏切り者などと酷いバッシングを受け、本人も戻れるなどとは考えられなかったと思います。それが、いざ復帰したとたん、ファンから非常に温かく迎え入れられ、グッズも飛ぶように売れ、数年活躍した後、ファンに惜しまれながら幸せな形で引退しました。

一度出たからには二度と敷居を跨がせないという考え方も当然理解できますが、もし事情が許すのであれば、ブーメラン社員の受け入れを検討してみてはいかがでしょうか。



 


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