歴史的和解と初夢

会長税や経営、個人や企業に関係する経済に関すること以外で書くのは初めてだと思う。

和解

安倍首相は昨年末12月15日のロシア大統領プーチン氏との会談、12月27日のハワイ・真珠湾でのアリゾナ記念館訪問、安倍総理の八面六臂の活動を見て感じたことを書く。

これに先立つ5月27日オバマ大統領が広島の平和祈念堂で原爆死没者慰霊碑に献花し、「核なき世界」を主導する責任についてスピーチした。

これを受けた形で安倍首相は12月27日真珠湾を訪問したが、日米双方の世論の大半は、この日米両首脳の行動を非常に好意的に報じ、これで日米両国民の和解が名実ともに成ったとの大方の評価である。

寛容と受容

和解は寛容や受容から生まれる。アメリカはヨーロッパの国々の中で権力に虐げられた、あるいは、宗教的な弾圧を受けたりした少数派の人々が新天地をアメリカに求めて移民として移住したところから生まれた。

君主制の圧政や宗教の異端迫害などから逃れ、新しい国づくりを国家暴力や宗教弾圧などによらない普通の人々を中心とした「人民の、人民による、人民のための」政治を実現するための国家を作った、いわゆるヨーロッパの少数派の人々が集まって作った国だと認識している。

アメリカの中にはロシアや中国や革命を得たとはいえヨーロッパの帝国主義的な国々とは本質的に異なったアイデンティティが備わっていると思っている。

独立戦争があったとはいえ、第二次世界大戦まで帝国主義をかざして侵略や戦争を繰返してきたヨーロッパや、戦国史に象徴される中国のように血みどろの内戦を繰り返し国内の覇権を争ってきた中国とも全く異なったアイデンティティを持っていると思うのである。

日本人の寛容さはどこから生まれてきているか。日本は自然災害の非常に多い国であることは世界に抜きんでていると思っている。地震、火山の噴火、津波、風水害など自然の猛威の中に数多くの犠牲者を出してきている。しかし、日頃山の幸、海の幸に恵まれて生活している日本人は災害が起きてもいずれいつの間にか修復されていく自然の景観や恵みの中に自然災害をも受容しているのである。

また、日本人にとっては人災もまた自然の営みの中の一現象として捉えているのではなかろうか。

このような背景を持つアメリカ人と日本人が長い70年という歳月を経て和解に至ったことは非常にうれしいことである。

遺された課題

第二次世界大戦後の遺された大きな課題はロシアとの戦争終結の完結であり、平和条約の締結である。ベルリンの壁に象徴される米ソ冷戦を経て、何度も平和条約の交渉が行われたが、米ソ冷戦の狭間で日ソ間の平和条約交渉はアメリカの反対によって頓挫してきたという。

しかし、日米の和解が成ったいま、新たな日ソ交渉再開の機運が生まれてきたことはうれしいことである。

ロシア(旧ソ連時代もいれて)とは国際法的には有効性の疑われるヤルタ協定によるソ連参戦、その後間もなく敗戦になり終戦直後65万人に及ぶ日本人の軍人軍属の人々が強制連行され多数の人が亡くなったり、第二次世界大戦終局後、国際法に反して占領された北方領土から強制的に退去させられ未だ帰島できない大勢の人々がいる。

初夢・クリル共和国独立

このような現状を打破すべく安倍首相は新たな枠組みの中で日ロ平和交渉の糸口を探りたいと十数回に及ぶ安倍・プーチン会談を経てお互いの信頼醸成を図り、昨年12月15日地元山口県においてマンツーマンの安倍・プーチン会談を開き、新しい枠組みによる日ロ平和条約交渉への糸口をひらいたとのことである。日ロの間にも和解ができることを期待する。

北方四島へ日本人もロシア人も自由に往来できることである。しかし、これは日ロ双方が主張する国家主権を主張する限り実現の可能性は限りなく低いと云わざるを得ないであろう。

私が見た初夢は日ソそれぞれ主権を放棄して、北方領土を非武装中立国として独立さてはどうであろうか、という事である。北方領土と国境を接することとなる日ロとアメリカがこの北方領土の独立を保証すれば世界に向けての重要な世界平和と和解へのシンボルとなりシグナルになるであろう。

 

税理士法人LRパートナーズ
代表社員 小川 湧三


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