後の先
囲碁や将棋では「先手をとる」という事を非常に大切にしている。
本当の先手は一見相手が先手のように見えながら相手に対する「受け」が先手になるような受けを「後の先」といって高段者になればなるほど大事にされる。
囲碁では先手を取ることが大事とばかりに無暗に「アタリ」を懸けることがあるが「アタリ・アタリはへぼの見本」とも言われ、一見先手のように見えても、全体からみると、相手を強くして、自分の石を逆に弱めてしまうことが多いことに気が付かない。
前月にも書いたが倫理法人会では経営者の団体でありながら経営のノウハウや経営に関する勉強会などは行っていない。経営者を「より良い生活習慣と豊かな人間性を備えるリーダーを育てる」こと、「明朗・愛和・喜働を実現し、“躍動する職場”を作る」ことを活動方針としている。いわば“人づくり”が基本なのである。
躍動する職場づくりはそこで働く全員が輝くこと、その結果として企業が躍動し、輝く企業となるという考えであり、その職場における人づくりの基本が「朝礼」と朝礼における「挨拶実習」と「輪読」なのである。
会員心得でも「人を愛して争わず、互いの繁栄を願います」と言って、経営者自身、企業で働く社員の“人づくり”に徹して、囲碁で云う「後の先」を目指していると言えよう。
小川 湧三
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