第7話 知恵を出せ

【私  見】

滝田先生_190_opt土光氏の「知恵のある者は知恵を出せ、知恵なき者は汗を出せ、それも出来ぬ者は去れ」を思い出した。これに対し松下翁はこれでは会社が潰れると称した。「まずは汗を出せ、汗の中から知恵を出せ、それが出来ぬ者は去れ」と言うべきやね。

【本書要約】

ホンダN360の開発が小物デザインの段階に入った頃のこと。「アイデアを練るのは楽しいねえ、それをモノにするのは もっと楽しいよ。こんな楽しいことを、君たちはどうしてやらないんだい」と本田さんが。そして毎日のように、「知恵を出せ、知恵を出せ」と急き立てられた。

外観では、フロントフェンダーとトランスクリッドの樹脂化がある。一回の射出で成形できる旨み、軽量化や耐衝撃性にも効果的。が良いことばかりでなく、合わせ、取り付け方、塗装の仕上がりや色合わせなど、いずれも大苦戦を強いられた。

他にはまずアンテナがある。アンテナを出して走ると風でしなり、感度が急に悪くなって悪戦苦闘。バンパーはロール成型の一体タイプに。端末処理には大苦戦。給油口の蓋は ドアを開けないと操作できないようにし、蓋専用の鍵を廃止する。給油口の栓は廉価な樹脂の成形品に。ドアハンドルはアルミ成型品に、などなど。

こんな小さな車にどうしてこんなにと思うくらい、これまで見たこともない独自のアイデアが盛り込まれ、さながら知恵比べの展覧試合を思わせた。がどれをとっても、ものにするのに一苦労。この一機種の開発の中で、いろんな材料による様々な作り方を一気に体験できた。

難しいことに挑戦するのは苦労も多かったが、楽しさの方が遥かに大きかった。「難しいことほど楽しい」ということを、身体で覚えた時期でもある。

【判  定】

優しい方向と厳しい方向があったら、厳しい方を選べ!を思いだした。

滝田式経営熟語帖 No.101
ビジネスの 名著から読み解く 経営のエッセンス!
「本田宗一郎との叱られ問答」岩倉氏全52話への滝田の挑戦

社友 岩倉信弥氏の52話「千字薬」より

 


ウィリアム・A・コーエン 著 池村千秋 訳  プラクティカル・ドラッカー ~英知を行動に変える40項~

〜 抜粋・要約 〜

200_4P_opt◎物事の成否を決するのは、あくまでも人間なのだ。人々が本腰を入れて課題に取り組まなければ成功は手にできない。

◎ほとんどの場合は、品質とはなにかを自分の基準で決めている。あなたは、顧客にとって品質とはなにかを考えたことがあるだろうか?

◎未来を予測する最善の方法は、みずから未来を創造することである。

◎あらゆるビジネスの目的は顧客を創造することにある。

◎企業が果たすべき基本的な機能とは、イノベーション(需要・供給)とマーケティングの2つだけだ。マーケティングとは、自社が顧客の欲している製品やサービスを提供していると、顧客に伝えることである。顧客がなにに価値を見いだしているかを徹底的に考えよ。

◎コストを積み上げて価格を決めるのではなく、価格から出発してコストを決めるべきだ。

◎「みんなが知っていることは、たいてい間違っている」

◎利益は企業の目的ではなく、利益の最大化をめざすこと は無意味であるばかりか、危険ですらある。利益の規模は「最大」ではなく「最適」をめざすのが正しい姿勢だ。

◎どのような問題を解決するにしても、いちばん重要なことは、知らないことなのです。

◎「マネジメントとはリーダーシップである。」リーダー シップとは「マーケティングの仕事である」。マーケティングは、組織の最も高いレベルの思考、意思決定、戦略に関わるものだ。そして、それより下位に、広告、 販売、価格決定、流通など、その戦略を遂行するための 手段「戦術」が存在する。

◎ほとんどの人は自分の強みを理解しているつもりでいる が、ほぼ確実にそれは思い違いだ。

◎「正しいことをしなさい。なにが正しいかは状況や文化 によって変わってくるので、とことん考え抜いて、なによりもまず、害を及ぼさないようにするべきです。」

◎人材の配置・昇進で、長所を基準に人材登用をおこな う。短所に関しては、それが問題にならないような役職に就ければいい。

◎自分の頭で考え、問いを発するべし、と結ぶ。

☆常識にとらわれず、多様性に開眼する。

 


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