ゼロ金利時代の資産運用

ゼロ金利時代

昭和の時代は金利5%が目安であった。5%の金利がつく場合、たとえば1000万円あると、年間 50 万円の利息がついた。3000万円貯めれば150万円の利息がついて、年金とあわせて生活のめどもついた。何年か使わずにおけば、それなりに財産としても殖えていったのである。

お金が働いてくれれば、いくばくかの貯金があると、その金利を頼りに生活の設計をすることができた。しかし、「預金通帳、ゴミかとみれば金利なり」 こんな川柳がはやってから、もう何年もゼロ金利時代が続いている。

ゼロ金利時代はお金が働かない時代である。お金が働かないので、1000万円貯めても利息は名ばかりである。使えば減るだけで、目減りすれば不安が募り使うに使えない。

長寿社会はお金が働かなければ成り立たない社会

しかも長寿社会になって久しく、100歳も夢ではない時代になっている。不老長寿の薬を求めて世界中探した故事は現実のものとなっているのである。

昔は「金利生活者」 という言葉があったが、このような長寿社会ではお金が有効に働いてくれないと、不安なく生活していくにはいつまでも自分が働らかなければならず、ハッピー・リタイアメントは夢のまた夢になってしまうのである。

年金も保険もお金が働き、その運用収益が基本である。ゼロ金利はこれらの金融の仕組み、生活の仕組みを根本から変えてしまうのである。リーマンショック以後、世界の経済の仕組みが変わったように見受けるのは私だけであろうか。

ノーベル財団の資産運用

ノーベル財団の資産運用について、日経ヴェリタス 12 ・5号に記事があった。1901年発足当時の財団基金は3158万クローナであったが、2009年には31 億1200万クローナに達している。

発足当初は「安全資産に限る」との運用ルールだったが、世界大戦やインフレには勝てず、成績は悪化し賞金は目減りしたが、1950年代に株式投資を解禁、1980〜2000年の株価上昇を追い風に、賞金も持ち直した。

現在のポートフォリオは 53%を株式に、21 %をヘッジファ ンドなどに配分しているとのことである。「貯蓄から証券へ」といわれてから久しいが、日本国内だけを見ていると、バブル発生前のGDPが470兆円であったが、現在もGDPは470兆円に止まっていて、まったく経済は停滞しているとしかいえない。

しかし、この間、世界を見渡せば発展途上国といわれる地域の発展は目覚しいものがあり、経済はグローバルで見ると発展しているのである。

今年の課題

私の今年の課題のうちの一つは、ノーベル財団のポートフォリオのように今まで証券に馴染みがなかったお客さまに「ゼロ金利時代の資産運用」として貯蓄から証券へ、国内からグローバル世界へと導くことである。

もう一つの課題は、ギリシャで始まったEUにおけるソブリン・クライシス・財政破綻懸念が高まっているなか、日本でもいつ起きてもおかしくない「緊急事態」が発生したときに起こる混乱から「お客さまの財産を保全するにはどうすればよいか」という課題に結論を出すことである。

税理士法人LRパートナーズ 代表社員 小川 湧三

 


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