マイツールで情報リテラシーを高め、3M経営実践で企業を強くする②

1月開催MG研修レポート・講義記録

前回はマイツールと情報リテラシーの向上をテーマにマイツールの概略と効果をお話しました。ここからは、MTが実際にどんなことができるかをかいつまんでお話します。実際にMTを動かしながらやってみましょう。

エクセルが目指すもの

MTでやれることはほぼ全てエクセルでもやれます。
エクセルで「できる」機能は、主に「可愛くきれいに格好良く」データを見せることに重点を置かれているように思いますが、利益に結びつかないデータ加工はいくらやっても会社は変わりません。

また、ウィザードに頼るところが多いので、途中の過程でどんな計算が行われているかがわかりません。それによって一つ一つ工程の思考ルーチンが分からなくなってしまうわけです。

自動化することで簡単に誰でも結果が出せるようにするのは一見すると親切なように思えます。しかし、実際は自動化された手順どおりの入力以外はできなくなるデメリットがあります。

自動化はやり過ぎると逆効果になる、ということです。

マイツールの得意分野

エクセルの得意とするところは再計算機能と言えます。
私はこの作業を転記手入力型集計と言っています。数値をセルに入力した途端に全ての再計算が行われ、全ての答えが変わっていくというものです。

MTではSIM命令で同じことを行いますが、MTの場合、再計算は手動で行うことがほとんどです。(自動再計算もできますが。)

その分だけパソコン側の処理が速くなり、たくさんの量のデータの処理が楽にできます。計算結果は必要とする最後に見れば良いことでもありますし。

このほかに新規作表型処理として基になる縦横データから新たな表形式で集計を行うTMコマンドは、エクセルではピボットテーブルと呼びますが、これを駆使すると経営に役立つ数字をマトリックスにして様々な切り口から見ることができます。

ここに書いた以外に数値の集計に役立つ、非常に豊富な機能を両ソフト共に持っていますが、エクセルでは最終的に見せたい形の表を先に作って後で数字を入れ込んでいくスタイルを採ります。

それは見栄えは良いものの分析するために並べ替えができないような形式を作りがちです。

根本的に差があるのは1行1データの形から多彩な表形式にコマンドを使って加工をしやすいのは圧倒的にMTに分がある、ということです。
また、一旦マトリックスに展開したデータを再び1行1データ形式の表に戻すことも容易にできます。

エクセルでも同じことはできるのですが、1行1データに戻すのは難しいのです。

つまり、MTは1行1データの形にさえなっていれば、後ほどどのようにでも加工ができる(しやすい)ことが最も強みとなっていると言えます。

3M経営を理想とした経営事例

「みんなでMG、MT」を使うことを略して「3M経営」と西先生は呼んでいます。3M経営の目指すものは何か、ということをこれからお話したいと思います。

みんなでMGをやり、MTを使って業務改善を行うことは企業風土を醸成することにつながり、社員全員が会社を俯瞰し、自分の役割を理解して一人一人が動ける「強い会社」になることを意味します。
N社でもMGをやるまでは値引き競争を営業マンがやっている会社でした。

MGをみんなでやり始めてから、見積書に記載されている販売価格(P)と数量(Q)の他に内部のみ閲覧する資料に変動費単価=品物の原価(V)と変動費総額(VQ)を記入するようにしました。

そのようにすることで自分が売ろうとしている商品の粗利がいくら出てくるかが明確になるため、営業マンは自然と安売り競争を止めて、その他に粗利が上がる方法がないかを工夫し始めました。

自分たちが扱っている品物がどのような構成になると利益を生むのかを考えられる力がMGの中で育ったからこそ得られた成果です。

これで粗利益率が8%も向上したのですから、効果はあったと言えます。

また、ゲームを通じて自社の売上高と利益の関係を読み取ることができるようになっていますので、会社の固定費総額を公開することが可能なら、純益がいくら出ているのかもたちどころに全員が分かります。ということは、自分たちが改善の努力をして頑張ったことで利益が上がったことも分かるので、仕事の達成感、充実感が何倍にもなって返ってくるというメリットがあるのです。

実際、N社では固定費総額、純益を全員に公開していますので前期よりも純益が増えたら還元給として支給されるので、大変励みとなっているそうです。

MGで学ぶ考え方を具体的な数字の操作で戦略・戦術に落とし込むまでの作業を行うのはMT、それをみんなでやることによって会社の頂点に立って自分の仕事を見られるような感覚が育ち、会社全体が良くなります。これが理想的な3M経営と言えるでしょう。

 


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