マイツールで情報リテラシーを高め、3M経営実践で企業を強くする①

1月開催MG研修レポート・講義記録
「マイツールで情報リテラシーを高め、 3M経営実践で企業を強くする① 」

2008年を迎えたばかりの1月10日、本年最初のマネジメント・ゲーム(以降、MG)が開催されました。今回のゲストは、浜松市在住の佐藤雅栄氏です。

佐藤氏は、松下電器産業㈱入社後、松下経理社員として一貫して実務畑を歩み、その経理部門時代にソニーが開発発表したMGを経験し、MGの開発者である㈱西研究所・西 順一郎先生と共にMGの指導と普及に努めてこられました。

今回は、経営に役立つ講義として、 佐藤氏が毎日の仕事で欠かさず使っている「マイツール(以降、MT)」 というデータベースソフトを使って企業人として何を学ぶべきか、というお話を約1時間にわたってご講演いただきました。MTの操作と応用技術についての著作も多数出版され、国内で第一人者と評される佐藤氏の思想と技術について触れていきましょう。

情報リテラシー向上のために何をするか

皆さん、こんばんは。佐藤雅栄と申します。私が関わっている名古屋市にあるN社はベアリングを取り扱 う商社です。当社では社員教育にMGを基本に据え、MTを日常の道具として活用しています。その結果、粗利益率が8%向上し、経営改善ができました。MGとMTを採り入れることで何が変化したのでしょうか?

MGはゲームの中で経営の真髄を体験的に学ぶことに特徴があります が、MTはデータベースソフトで、実際の仕事で次々と出てくる情報を扱うための道具です。もちろん、実際にはMTでなくともエクセルのようなPC標準のような表計算ソフトもありますし、業務用に特化したソフトも数多ありますが、どうしてMTが経営を変えたのか、ということです。

そのキーワードは「情報リテラシーの向上」です。仕事に必要な情報を速く取り出 し、役に立つように加工することが誰でもできるようにしたかどうかがポイントだと考えます。No108_16423950

情報をデータに置き換える

情報は「持ち方」「切り方」「見せ方」で変化するものです。 企業経営に役立つ情報は、主に並べ替えや検索・抽出をすることで明確な本質が見えてくるものだと考えられますが、そのためには1行1データ形式で表される情報でないと後ほど加工ができません。(上図参照 1行1データとT字型表の違い)

図にもありますような T字型表と私が呼んでいるものは、これは単に数値を入れ込んでそこで 計算結果を求めるだけの表なので、データの並べ替えや抽出などがやりにくい形式で必要悪と言えます。これがデータの「持ち方」として重要視しているもので、経営に役立つ数字は1行1データになっている必要があると 覚えてください。

この形式になっていれば、MTではトータルマ トリックスコマンド、エクセルではピボットテーブルという計算方法が使えます。つまり、後ほど情報を使うことを考えると、自ずとデータの持ち方が変わってくることをお分かりいただ ければと思います。

操作技術と利用技術の違いとは?

操作技術と利用技術は言葉としては似ているところがありますが、西先生の言葉を借りると「操作技術は How to 」「利用技術は What to 」とい うことになります。操作技術はどんどん古くなっていきますが、利用技術はどんどん蓄積されていくものです。

No108_16401692例えば、グラフ加工を題材にする とエクセルでは三次元のグラフや立体化されたグラフなど非常にたくさんのバリエーションがあります。これはソフトの機能で「できる」ことの一例ですが、基本は可愛く、きれいにカッコよく見せるためのものです。このグラフ を作るための技 術は「操作技術」です。

次にグラ フを作ることで、経営の目標値になっているポイントへ現状が近づいているのか遠ざかっているのか、何処が強くて何処が弱いのかを図るための指標が素早く提供できる機能があるのかどうか、またそれを引き出すことができるかが「利用技術」です。

この数値の意味をデータとして表す機能が「使える」機能の側面です。役に立つ数字を読み取り、意思決定に役立てることはグラフが立体化表示されてもただの折れ線のグラフであっても同じことです。

ところが多くの会社で見栄えの良いデータの「表示の仕方」に一生懸命になっているケースが多く見受けられます。いかにも仕事をしているように見えるからなんですね。

エクセルで複雑な表組みになりがちなのはデータを複雑な形にまとめていることに原因があります。経営に重要な指標を見出すためにはデータはできるだけシンプルな形の方が良いです。単純な形の1行1データ を必要に応じて加工し、有効な資料ができたら、次の思考を働かせる方が迅速に経営の意思決定に役立つと考えます。

マイツールを使うことで 向上する能力

ここまでお伝えしてきたデータの持ち方を工夫し、加工しやすい道具を使って的確なデータを作り、それが示すものを読み取る力がMTによってずいぶん身についたことが利益アップの力になってきたと思っています。

MTは、次にやる作業(仕事)が何かを思考しながらでないと先に進めませんので、混沌としている数字の中から、どの列の何の項目のデータが必要か、それをどういう形にしたいのかを考えながら、言語的なコマンドで指示します。

次の姿が見えたら、そのデータを別の切り口で分解してみたり、データを合併してみて、問題となっている部分が見えてこないかを考えるわけです。

ここが核心ですが、MTを使うことで重要なのは、この問題解決思考を育てながら作業をやっていくことで身につける応用力、発想力、つま り情報リテラシーの向上です。

やはり、仕事や経営に「使える」、意味のある機能を使いこなして、徹底して利用する技術を覚えることが重要だということがMTを通じて分かりました。(次回に続く)

 


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