5千万件年金受給者未統合問題

すべての年金データの公表を!

年金データ5千万件 不明問題

No100_13451158参議院議員選挙を控えて年金データ5095万件不明問題で国会が揺れている。まったく信じられないような件数である。社会保険庁はこのところ年金に限らず、保険料の流用・記録の覗き見・保険料免除の不正手続き・幹部の汚職事件など事件のオンパレードである。

こういった一向になくならない官庁の不祥事で国民のお金を政府に預けることに対する信頼をなくした上に、更に新たな年金資料未入力1430万件も発覚したのは驚き以外のなにものでも無い。しかし、何はさておき、早急に年金データ未統合問題を解決しなければならない。このデータ未統合問題については四つに分けて考える必要がある。

第一は、早急なデータ未統合の解消、第二は、未統合問題を生じた原因究明と再発防止策、第三はこのような事態を生じさせた社会保険庁の責任追及の問題であり、ひいては公務員個人の責任及び管理責任のあり方、第四は、年金制度の明確化とあるべき年金制度への抜本的な改革である。

ひとまずは第一のデータ 未統合を早急にいかにして解消するかが最重要で、安倍首相は一年以内に解決することを政治生命をかけて公約した。適切な指示であると考える。

なぜこのような問題が生じたか

今、あきらかにされている原因の一つは、1980年にコンピュータ化されたことに伴うトラブルによる、入力ミスと未入力である。次は一人に対して年金の種類が異なるごとに交付されていた複数の年金番号を、1997年に国民年金基礎番号に統一した際に発生した大量の未統合データの放置である。最後のダメ押しは、2002年に国民年金保険料に関する徴収事務が自治体から社会保険庁に移管されたことにより、年金記録の破棄が行われたことである。

安倍首相の公約を一日も早く実現するために

No100_13454422今回は、この問題の第一の課題である早急なデータ未統合問題を解決することに限定して考えてみたい。

私たち税理士は普段の業務の中で不明資料の解明や不足資料の補完作業を普段に行っていることから、参考になることと確信している。

1980年にコンピュータ化が始まっているのに、なお、1430万件に及ぶ信じられないデー タ量が未入力であるが、まず、未入力にかかわる 自治体名を公表し、関係ある国民の照会をスムー ズにできるようにすると ともに、民間入力代行業者を含めて直ちに入力することである。

次に、未統合データは速やかに①登録氏名 ②生年月日 ③登録住所 ④加入期間 ⑤納付期間 ⑥登録されている事業所名 ⑦記録の保管場所などを公表することである。国民年金番号に統合されている国民に対しては、記録内容の全てをすべての加入者に対して通知するこ とである。

これらの措置を行うことによって、国民が自ら調査ができる条件を揃えること とになる。

国民自ら調査ができるように

政府はいま、国民に照会をさせ、社会保険庁に調査させているが、国民にとってブラックボックスの中のデータが見えない限り、回答に対して信頼をすることはできない。

上記のような条件を揃えた上で、国民が自ら調査できるように、調査事務に慣れた社会保険労務士、税理士、公認会計士、弁護士、行政書士、ファイナンシャル・プランナーなど一定の資格を有するものに調査の代理権限を与え、国民が調査を依頼することを認め、難易度に応じて一定額の報酬を国が負担することを認め、 併せて、社会保険庁職員に協力義務を課すことにより比較的短期間に解決すると考える。

No100_1346280個人情報保護法に抵触する場合や、受給に関する時効問題や、追加受給に関する課税問題には、特別立法により適用を排除するなどが必要になる。既に政府はこれらの立法活動を行っている部分もあるが一層の検討を求めるものである。

以上のように国民に年金情報を公開し、情報にアクセスできるようにして国民(代理人を含めて)に調査権を与え、社会保険庁に立証責任を負わせた上で政府が総務省に設置する第三者機関で審査し、事態を早急に解決することが国民の信頼を 回復する唯一の方法であり、近道であると考える。

税理士法人 LRパートナーズ 代表社員 小川湧三

 


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