経営は航海の如し
経営者は日々是判断の連続。受注や納品、給与に人事、資金繰り借入等、雑多でありながらも重要な決断を可能な限り瞬時に下し、実行しなければなりません。
判断をする行為にはその材料となる情報が不可欠です。誤った情報による判断は期待した結果を生むどころか、予期せぬ事態、ことによっては致命的な打撃を受けかねないことは皆様のご存知のとおりです。
ここで唐突ながら会社を資本主義市場という大海原を航海する船舶に例えてみましょう。
航海では現状を適格に把握し状況に合った判断を瞬時に下さなければ航海事故に繋がります。
把握する情報を会社にたとえれば、頭上の天候は今の経済状況をあらわし、レーダに映る雲は近々の景気、天気図は将来の市場を予測させます。
残存燃料は機動船(モーターボート・タンカー等)にとっての会社の体力を、風帆船(帆船・ヨット等)では予備エンジンにおけるバックアップ能力をあらわします。その他、他船舶の現在位置、船員の体調、食料飲料、消耗備品、さらには甲板から見えない船底のカキ殻付着による船足の低下など、操船にはあらゆる現実を情報として入手し適時に判断します。
例えが長くなりました。振り返って「会社」を経営する上での自社の情報源は、毎日の業務を運営監督する経営者の皆様が目で見て耳で聞き、肌で感じるものが最も重要で正確であるといえましょう。
しかし、売上粗利益や各経費項目増減などから情報を読み取りたい場合、日々の入出金による伝票を眺めても、それらは単体の事象を示すものでしかないために情報としては使い物にならず、これらの情報を集め、ときには修正して初めて有効な判断材料となり得ます。
この集積した情報を「財務諸表」とか「月次試算表」などといいます(以下会計データと呼ぶ)。
会計データを船舶にたとえれば操舵室の計器盤といえるかもしれません。
実際の航海で船長は計器盤に注意を払って操船しますが、もし、この会計データである計器盤をほとんど気にしないで操船した場合はどうなるでしょう。
船長は眼前の海原を見つめ、レーダとチャート(海図)で進むべき航路を確認しながら、順調に航海をしているように船員の誰もが感じていたとします。ところが計器盤に小規模の浸水を示す情報が出ているのに誰も気づきません。すぐに気づいて処置すれば事故にならなくとも、「なにか変だな」と体で感じる頃では沈没さえ想像されます。
私たち小川会計グループでは、経営者の皆様に計器盤である会計データを最も有効な情報のひとつとしてご認識いただき、さらにそこから会社の状態や傾向を読み取るお手伝いをさせていただきたいと考えております。
会計データは数字ばかりで、そこから何を感じ取るべきかわからないこともありますが、計器盤からの情報を船長にお伝えする航海士として、私ども小川会計グループをご活用いただければ幸いです。
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