経営者のつぶやきを聴いて一言

後継者育成に役立つMG

今回は後継者育成に役立つMGについて述べてみる。

先日、中小企業の経営者が集まる会合でのM社長の話題を紹介する。この会は本音で語れる数少ない会合のひとつである。業績は極めて好調で、不況のさなかでも、同業者も羨むほど好調である。社業にはとても熱心で、たえず改革に努めており、情報感度はすこぶる高い。

2代目の育成の話題になると、強気一点張りの姿勢が揺らぐ。M社長の経営者観はこうだ。中小企業の社長は何でも自分でこなさなければならない。製造業でモノ作りが得意な社長でも営業、経理など不得意なこともやらなければならない。子供は小さいときからおやじの苦労する姿をみているから、後は継がないと決めてしまうケースが多い。この先に話題を進めると、後継問題の結論をめぐって口論になってしまうというのだ。

No87_13132474しかし思い入れの強い社長は、精魂こめて営業する。中小企業の社長は営業マンそのものである。お客さまの大切さは肌身で感じている。感謝の気持ちは態度に表れる。営業の大変さはいつしか大切さに変わり、感謝の気持ちは大きな喜びとなって周囲に伝わる。製造担当者は腕を磨く元気のもとをいただくことができる。後継候補者はこの過程をしっかり受け止めることにより、やっぱり会社は継がねばならないものと認識を改めると期待している。

MGは大局観を磨くといわれている。ゲームは企業経営を徹底的にモデル化したものである。最初はルールをマスターするだけで精一杯。ルールに慣れてくると、決断の早い若者が断然強い。常に好成績の人は、ゲームのルールを活用して大量販売や、高利益をあげている。

ゲームとはいえ、市場規模を考慮し、参加者の行動を観察して販売戦略を立てて臨むので好成績をあげているのである。若いだけではゲームには勝てない。回数を重ね、各種の戦略を体験することが、大局観を磨くことになる。

MGはゲームのあと決算を行う。2日間で5会計期間決算する。全く経理を知らない人にとっては、多少のハンディはあるものの、決算の原理、重要性を手身近に体験できる。最初はチンプンカンプンで、言われるままに計算するものの、回を重ねると決算の意味を十分理解できるようになる。

経理担当者、経理責任者になるには、法に定められた制度を習得する必要があるが、経営戦略上は十分役に立つ。以上が後継候補者に決断を促す助けになると信ずる所以である。

回を重ねる効用は他にもある。MG参加者はバラエティに富んでいる。2日間食事をともにしながら脳みそに汗をかく。利害関係を超えた良質の人脈を形成する。毎回全国各地で「ご当地MG」を開催している超ベテランの方に参加していただき、MG精神をご披露していただいている。

MG参加者にとっては、貴重な仲間に入れていただけるメリットは大きい。世間には、お金を出せば高名な講師の講演はいくらでも聴くことができる。聴いただけでは身につかないから、実践してみて、さらなるご指南を仰ぐのも良いのではないか。

 


神奈川県川崎市で税理士・社会保険労務士をお探しなら

LR小川会計グループ

経営者のパートナーとして中小企業の皆さまをサポートします


お問い合わせ