業務中にぎっくり腰!これ労災⁉
Q 従業員が業務中にぎっくり腰になったが、もともと腰痛持ちらしい。この場合は労災になるのか?
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企業の現場ではこのように判断に迷う場面が少なくありません。労災(業務災害)か私傷病かの判断は、企業の対応だけでなく、補償内容に直結し従業員の生活を左右する重要な分岐点となります。
「持病がある=労災ではない」と考えられがちですが、制度上必ずしもそうとは限りません。判断の軸となるのは主に、次の2つの視点です。
⒈ 業務遂行性
負傷や疾病が業務を行っている状況下で発生したかどうかという点で、勤務時間中に業務として求められる行為の中で起きていれば原則としてこの要件を満たします。
⒉ 業務起因性
業務内容や作業負荷、動作や姿勢などが、発症や症状悪化のきっかけとなっているかが検討されます。
たとえ既往症や持病があったとしても、業務が症状の発症や悪化に相当程度関与していれば労災と認められる可能性があります。この考え方は裁判例でも示されており、業務と結果との間に相当因果関係があるかどうかが判断基準とされています。
【腰痛における業務起因性の判断例】
★労災と認められる可能性が高いケース
もともと腰痛持ちでも日常生活に支障がなかった従業員が、「業務で重い荷物を持ち上げた瞬間に発症した」場合。発症のきっかけが明確に業務にあると判断されやすくなります。
★労災と認められにくいケース
もともと腰痛持ちの従業員が、「職場で椅子から立ち上がった瞬間に発症した」場合。日常的な動作の範囲内での発症であり、業務起因性を証明することが難しくなります。
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実務上「労災は事業主に不利」「手続きが煩雑」といった理由から、労災申請を行わず、傷病手当金で処理しようとするケースも見受けられます。
労災を私傷病として処理することは、従業員の不利益(給付や自己負担など)や企業の責任問題といったリスクに直結します。
判断に迷う場合は現場だけで結論を出さず、労働基準監督署等と連携し、制度に沿って適切に処理することが、労使双方が安心して働ける環境づくりに不可欠です。

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