MGはなぜ基本を大切にするのか?
MG初参加は平成6年4月9日(金)、10日(土)であった。あれから11年6ヶ月経過した。当時も西研究所西順一郎所長、佳恵先生、金子先生のトリオで来られた。そのときも現在も、全く同じペースでゲームを基本から解説する。なぜこれほどまでに基本を大切にするのか、今回はこのことについて考えてみたい。
第1期が大事
MGはビジネスを徹底的にモデル化したものである。ルールは単純化されているとはいえ、経営の実際や形態が少しずつ変化していくようにそれに合わせてルールも微妙に変化していく。初心者もベテランもルールが微妙に変化していくため、ゲームに先立ちルールを確認し合って、初心者もベテランも早く正確なルールを身につけ、体に覚えこませる。
会社の現実も新入社員、中堅とベテランから成っており、いつの間にか社内ルールが形骸化するのを防がなければならない。第1期が一番大切というのは、この社内ルール、文化ひいては社風の継承と共有化の再確認なのである。
第1期のもう一つ大切な目的は儲けの仕組み、経営評価のための基本である簿記会計・財務諸表(企業方程式・マトリックス会計表として要約)や原価計算(特に直接原価法(DC))の基礎を理解し身につけることにある。
繰り返し続ける
経営するということは意思決定し行動することである。単に知識を積み重ねればよいというものではない。正しく意思決定し行動するにはスポーツや習い事のように、いやそれ以上に鍛錬して体で覚えなければならない。
MGも同様である。体で覚えるには基本を繰返し、回数(MG用語では期数)を重ねなければならない。よほど感度の鋭い方でない限り、初回からベテランの域に達することはない。
このゲームには多くの仕掛けがある。参加した人は判るが、皆同じ経営状態で始めながら十人十色のゲームをし、自らの成績も毎回天と地の差が出る。「なぜ?」そうなるのか。現実の経営では失敗は許されない。ベテランになる程、経営の様々な場面をシミュレーションし、自らの経営に活かすことができるようになるためにMGを繰返し続けることが重要なのである。
全員経営を目指す
MGは日常経営に相当する部分と、経営成績をまとめる決算部分がある。前者は戦略性、意思決定のスピード、環境(参加者の特性等)観察眼等を磨く。後者は決算の原理を理解し、計数感覚の醸成に直結する。
MGの決算は、会社のあらゆる部門のすべての人に会社経営を理解させる絶妙のツールである。営業は経理が判り、作業現場はタイミングがいかに大切か判り、経理は営業や現場の苦労が判るようになる。全員経営を目指すということは、このようなことを言うのではなかろうか。
これからの経営は、経営者が打ち出す計数に裏打ちされた綿密な経営方針・営業方針を社員全員が理解し、体得してこそ成功を目指すことができる。このように人材を育てるために、基本を繰り返し、繰り返し行うのである。
神奈川県川崎市で税理士・社会保険労務士をお探しなら
経営者のパートナーとして中小企業の皆さまをサポートします