海外通信NO.126 住宅取得は「最強の年金準備」? 世界の年金活用術

日本では「住宅資金は給与からコツコツと貯め、年金は老後の生活資金の補填に」という考え方が一般的です。

しかし世界を見渡すと、「住居費の早期完済こそが最大の老後対策」と捉える国々が少なくありません。

今回は、柔軟な海外の年金活用事情をご紹介します。

「人生の総合口座」:シンガポール

世界で最も徹底しているのがシンガポールです。CPF(中央積立基金)への拠出は雇用主と従業員双方の義務であり、会社(雇用主)は従業員の給与から従業員負担分を差し引き会社負担分と合わせてCPF庁に納付します。拠出した資金は目的別に3つの口座が積み立てられます。

普通口座:住宅購入費、投資、教育費
特別口座:老後の年金、定年退職後の金融商品のための投資
メディセイブ口座:入院費、医療費

普通口座と特別口座の積立金は目的に応じて支払いに充てられ、55歳到達時点でそれぞれの残高は退職口座に移管され、65歳から年金として支給されます。「老後に現金があっても、住む場所がなければ生活は破綻する」という住宅と老後をセットで考える合理的な仕組みです。

「自分から借りる」:欧米諸国

欧米では、年金資産を「柔軟な原資」として活用する仕組みが整っています。

❖ カナダ:

「ホーム・バイヤーズ・プラン(HBP)」により、個人年金(RRSP)から住宅資金を無利子・非課税で引き出せます。(15年かけて自分の口座に  戻すのが条件)

❖ アメリカ:

「401(k)ローン」により、自分の年金残高から借入が可能です。
 利息は発生しますが、その利息も「自分の口座」に戻るため、実質的なコストが極めて低いのが特徴です。(返済期間 5年)

❖ フランス:

新しい年金貯蓄プラン(PER)では、「主要居住地の購入」を理由とした早期解約が法的に認められています。

日本の税制優遇措置は、年金(DC・iDeCo)、住宅(財形)、投資(NISA)がそれぞれ独立した「縦割り」となっており、資金を目的以外で使う場合には税の恩恵を受けることができません。

対して海外では、「資産はあくまで個人のもの」という考えのもと、制度間の壁を低くし流動性を高めています。世界的なインフレで現金の価値が目減りするリスクがある今、海外のように「年金資産を住宅という実物資産に組み替え、老後の固定費の負担を軽くする」という視点は非常に合理的です。「貯める」だけでなく、ライフステージに合わせた運用方法や優先順位の見直しなど資産の最適化をするヒントになります。

 

 

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