「会社」と「株式」が変わる

アメリカのNY株式、ナスダック株式の調整相場が報じられています。日本では銀行の大型合併が進行しています。また、ゼロ金利政策が続き郵便貯金の満期時期を迎えてその運用先が注目され、確定給付年金制度の破綻から確定拠出年金制度の導入と相まって、今までの貯蓄から投資運用への関心が高まっています。

これらはすべて資本主義経済の中心的な制度として金融システムと車の両輪を成す株式会社制度が日本においてもグローバル化されることと軌を一にしています。「会社」と「株式」が大きく変わっていきます。

運用から投資へ

いちばん身近な変化は、お金を「貯める」時代から「運用する」時代になったことです。運用の中心は株式になります。多くの方は「株は投機だ、株は博打だ、株価が上がったり下がったりして元本の保証がないから株はやらない」など言われています。

しかし、株価は経済活動そのものを顕わし、経済は緩やかですが成長しています。来年から導入される確定拠出年金はサラリーマン、自営業者の人たちがすべて自分の年金を自分で運用することになっています。

一人ひとりがお金を運用する正しい投資知識を持たなければ将来に大きな差がでる時代になりました。投資運用の時代にはお金の性質、たとえば使い道が決まっているお金か、何年間か余裕のあるお金かなどを見極めること、自分がどれだけ投資の知識や投資に対する適性などを自覚することが大切になります。

ベンチャー企業とサクセスストーリー

昨年東京証券取引所にベンチャー企業を対象にした株式市場「マザーズ」が開設されました。マイクロソフトのビル・ゲイツに代表されるようにベンチャー企業から世界一の成功者としてアメリカンドリームの体現者になりました。

日本でも新規上場企業の中から多くの成功者が生まれてきています。本当の意味での株式会社制度が機能しだしてきていることを感じます。これらの成功者は経営者として「株式」の価値を通じて成功報酬を手にしたのです。「会社」と「株式」が変わったのです。

M&A(合併と買収)に見る変幻自在の企業と経営

今月初めの新聞に「世界のM&Aが1兆ドルを超えた」との記事がありました。M&Aは企業の買収や企業の合併をいいます。

企業の買収というと企業の「乗っ取り」というイメージがありますが、企業の成長を早め、上場を目指すときには非常に効果があります。逆に新しい事業を起こすために資金が必要なときに今までの会社を売却してその資金を調達することができます。

また、後継者がいないときには、会社ごと売却して、事業の継続と経営者自身の余生を守ることもできます。このようなことが大企業のことではなく、私たちの身近なところでも見聞きする時代になりました。企業経営は株式を通じて、その離合集散を図りながら変幻自在に変化していきます。

(小川 湧三)

 


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