決算書未提出だとギロチン刑?!
「破産時に決算書を裁判所に提示できなかった者はギロチン刑に処す」というとてつもなく厳しい罰則とともに、世界で初めて商人に決算書の作成を義務付けたのは、1637年のフランス商事王令です。
日々の記帳に基づいた決算書をなぜ作成しなければならないのでしょう?
税務署に申告書を提出するためですか? 金融機関から融資を受けるためですか? それとも市販の会計の教科書に書いてある通り、「企業外部の利害関係者に経営状況を報告するため」ですか?
日々の記帳は自社を守るための証拠作りです。そして決算書の作成は自社の業績を自己報告するためです。
ギロチン刑まで課した当時のフランスでは、それが商人(会社)から破産を防止するため最低限、商人がすべきことだったからなのです。
帳簿が法廷対抗力を有することをご存知ですか? 法廷対抗力を有する帳簿とはどんな帳簿か、わかりますか?
それは
①すべての取引を
②実際の取引事実に基づいて(検証可能な証拠に基づいて)
③通常業務の過程において、適時に作成され
④秩序正しく明瞭に記録された
「会計帳簿」のことをいいます。
驚くなかれ、刑事訴訟法第323条では、戸籍謄本や公正証書謄本と同列で、商業帳簿の証拠能力が認められているのです。この規定が税法における更正の制限規定(法人税法130条・所得税法155条)を結果として担保しているのです。
商事法上の商業帳簿の証拠能力は、裁判官の自由心証によるという判例があります。万が一、御社が民事上(商事上)の裁判問題に巻き込まれた場合、御社を守るのは御社で作成された日々の記帳に基づく会計帳簿なのです。
帳簿は本来、経営に役立ちます、いえ、役立つものです、役立たなければ帳簿ではありません。
それを今回は、あまり知られていない記帳義務の観点から述べました。
当職員が御社にお伺いした際には、是非、帳簿についての「何故?」を聞いて下さい。
その時、職員が答えられなかったら・・・ギロチン刑?!
【付録・・・決算書を読めるヒトになるために】
「決算書の作成は自社の業績を自己報告するため」のもの。
決算書は税務署に申告書を提出するために「しかたがなく」作成するものでもなく、銀行から借入れしようと自社を「良く見せる」ために作成するものでもありません。
決算書は、経営者自らが自らに経営実態を報告するために作成するもの、自己報告の手段なのです。
決算を行うということは、一定期間において、どれだけ経営目的を達成したか、を客観的な数値で測ることなのです。
同じ環境・同じ市場・同じ経済状況で、それでも勝ち残るためには、正しい決算書の作成が不可欠であり、その決算書から未来を読み取る力が必要になります。
これはお話して御理解頂くものではありません。
「理屈では判るけどねぇ~・・・」と思っている方は、是非、小川会計主催のMG(マネジメント・ゲーム)に御参加ください。MGに継続的に参加されると、日々の記帳の大切さも、決算書作成の意味も、実感(体感)できます。
おまけに小川会計の内部状況も実感(体感)できるかも?!
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