税務調査で狙われる意外な科目

コロナが落ち着き、税務調査の頻度が元に戻りつつありますが、最近は役員報酬について問われることが多くなっているようです。

役員報酬には税務上さまざまな制限が設けられ、税務調査で経費計上を否認されると、会社が税務上の大損を被る恐れがあります。

法人税法では、役員報酬のうち、不相当に高額と判断された部分については過大な役員報酬にあたるとして経費にならないとしています。

不相当となる判断基準としては、「形式基準」「実質基準」の二つがあります。

▪形式基準とは、定款や株主総会の決議により役員報酬の上限や、算出方法を定めたものです。

▪実質基準とは、企業の売上や従業員の給料、役員の実績などを勘案して判断されるものです。これは明確な基準がないため、報酬額が過大と算定される基準はあいまいになってしまいます。そのため、実質基準で否認される際は、類似法人との比較を根拠に用いることがほとんどです。

また、役員報酬に関する税務調査で重要なキーワードとなるのは「公私混同」です。調査官は役員の私的な支出を会社の経費にしていないかを細かくチェックします。

▪取引先の接待や従業員の慰安を目的に会社が別荘を持つことがありますが、役員だけが私的に使用していると、維持費用などの支出は役員への給与や貸付金となり、課税対象になってしまいます。

▪会社が業務で使用する社用車の取得費は、一定期間での減価償却が認められています。不随費用として、保険代、車検代、ガソリン代などの費用も経費にすることができます。しかし、私的に使っていると、その分を損金にできなくなってしまいます。

▪交際費も役員の公私混同が多い科目として税務署に狙われる科目です。役員個人の支出と税務署に判断されてしまうと、経費として落とすことができないので、領収書とともに、同席した取引先の名前を残しておく必要があります。

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税務調査はあくまで受け身であるため、否認リスク軽減のための対策が求められます。

 

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