過半数代表者の適正な選出

「時間外労働及び休日労働に関する労使協定書」など、労使協定を結ぶ場合は、事業場において労働者から過半数代表者(以下、代表者という)を決め、協議の上、締結することとされています。原則、協定を結ぶごとに代表者を決めます。ここでは、その適切な選出方法を説明します。

◯選出方法

代表者は、労働者自らが民主的な方法で選出する必要があります。事業主の指名など民主的でない方法で代表者が決まった場合、締結した労使協定が、無効とされることもあります。また、管理監督者として扱われる者は、代表者になれません。

1 話し合い

過半数の労働者が集まって話し合いにより代表者を決めます。比較的人数の少ない事業所はこの方法が導入しやすいでしょう。

2 選挙

一般的には選挙の場合、立候補を募り投票等によって選出します。立候補者が1名の場合は、信任投票となります。立候補がない場合は、推薦を受けた者から選出します。この場合の推薦人は、事業主でも良いとされています。投票の他の選出方法としては、集会での挙手による決議、回覧板等の持ち回り決議、メールによる投票などの方法が考えられます。メールを用いる場合、無投票を信任票とみなすことはできません。選出方法は、民主的な方法である限りは自由です。必ずしも、これらの例示に沿う必要はありません。

◯代表者の役目

代表者は、会社と労働者が結ぶ労使協定の内容について会社と協議します。内容に合意したら、労使協定書に記名・押印をして協定を締結します。その後、協定書の控えを一部保管します。

代表者は、事業場全体に適用される協定を結びます。会社は、労働者代表の負担とならないよう協定の中身を丁寧に説明し、協議をする必要があります。

◯議事進行の例

進行役「今年度の〇〇労使協定のための過半数代表者の選出を行います。立候補する方はいらっしゃいますか?」

Aさん「立候補します。」

進行役「他に立候補がない場合、Aさんの信任決議を行います。Aさんの労働者代表者選出に賛成の方は挙手をお願いします。(挙手が多いとき)賛成多数と認めます。今回の労使協定に関する労働者代表は、Aさんとします。」

 



 

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