最低賃金の上昇がもたらす中小企業への影響

令和5年秋に神奈川県の最低賃金が1100円を超えると予想されていますが、最低賃金の上昇がもたらす中小企業への影響にはどのようなものがあるのでしょうか。

まず、中小企業への良い影響を考えてみましょう。

最低賃金の引き上げにより、中小企業が従業員に支払う賃金が増加するため、従業員のモチベーションが向上することが期待できます。高い賃金を支払う企業は、従業員に対して、働くことに対するモチベーションや責任感を促進することができるため、従業員の士気が上がり、生産性が向上する可能性があります。

また、最低賃金の引き上げにより、低所得者の収入が増加することで、消費が拡大する可能性があります。中小企業にとっては、消費拡大によって需要が増加し、売り上げが伸びるという好影響があると考えられます。ただし、これらは間接的な影響でコスト増加に対するダイレクトなメリットとはいえません。

❖ ❖ ❖ ❖ ❖ ❖ ❖ ❖

逆に、最低賃金の上昇がもたらす中小企業への悪い影響とは何でしょう。

最低賃金の引き上げにより、中小企業が従業員に支払う賃金が増加するため、企業のコストが増加します。賃金負担の増加によって、経営不振に陥る場合もあります。

また、賃金コスト増加によって中小企業の競争力が低下する可能性があります。中小企業は大企業に比べて、資金調達や経営資源の面で不利な条件にあるため、賃金の引き上げに対応するための対応が遅れ、競争力が低下することがあります。

これにより、中小企業が従業員を雇用することが困難になる場合があります。従業員の賃金負担が増加するため、企業は従業員数の調整や業務の見直しを迫られることがあります。また、一部の企業は、閉鎖や経営縮小を余儀なくされることがあるでしょう。

このように、最低賃金の引き上げが中小企業にもたらす悪い影響は、直接的に感じます。

❖ ❖ ❖ ❖ ❖ ❖ ❖ ❖

急激な最低賃金の上昇は中小企業に破壊的な影響をもたらす可能性があるものの、緩やかで最適な賃金の上昇は、経済活動が活発化して好景気を誘引し、中小企業にも良い影響が生まれるでしょう。

中小企業には最低賃金の上昇に対応することが求められ、政策決定者には、中小企業の事情を踏まえた政策を実施することが求められています。

 



 

お問い合わせ

神奈川県川崎市で税理士・社会保険労務士をお探しなら

LR小川会計グループ

経営者のパートナーとして中小企業の皆さまをサポートします