労働災害についての基礎知識、休業補償とは?

どのような事業場でも、労働災害は常に起こり得るものです。将来的に1人でも労働者を雇用する予定がある場合、労働保険の適用事業場に該当するため、経営者にとって労災にまつわる知識を持っておくことはとても重要です。経営者なら知っておくと役に立つ労災の基礎知識をお伝えします。労災保険は、社員やアルバイトなど雇用形態に関係なく、全ての労働者に適用され、業務上の事由または通勤による傷病に対して必要な保険給付を行います。

■治療費の補償

給付の種類は、主に治療費の補償、働けなくなった場合の給与の補償等があります。治療費については労災保険指定医療機関を受診し窓口に申請書を提出する場合には、労災保険からおりるため、治療費の自己負担はありません。労災保険指定医療機関でない場合には、一旦治療費を立て替えて支払い、その費用を労災保険に請求します。

■休業時の補償

従業員が労災により休業した場合、休業4日目から1日につき給付基礎日額の80%相当額(うち20%は特別支給金)が支給されます。給付基礎日額とは、事故が発生した日の直前の賃金締日の3カ月間にその労働者に支払われた金額の総額を歴日数で割った1日当たりの賃金額です。

■健康保険は使えない⁉

注意するべき点は、業務中や通勤途中の怪我に、健康保険は使えないことです。

労災について労災保険から給付がありますので、健康保険証を提示せず、窓口で労災での治療の旨をお伝えください。健康保険で治療を受けてしまった場合は、速やかに労災保険に切り替える手続きが必要です。

労災保険は複雑な手続きもありますが、労災が発生した際には事業主の負担を補完し、労働者への補償がされるものです。改めて労災と補償について概要を把握した上で、自社の事業の中で起こりうる労災の可能性を見極めて、対応をしっかりと取れるようにしていく必要があります。

一方で、中小企業の中には経営者であっても従業員と同様の業務をしている人もいるでしょう。経営者は原則として労災保険の対象外ですが、一定の要件を満たせば経営者であっても労災の適用を受けることができます。これを特別加入制度と呼びます。

特別加入制度の対象となるのは、労働者が一定数以下の事業主に限られます。詳しくは、次回の記事にてご説明させていただきます。

 



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